2025年04月28日
医歯薬学総合研究科生命薬科学専攻博士後期課程3年の満留菜央さん(薬剤学分野)が、日本薬学会第145年会(2025年3月26日~29日、福岡国際会議場など)において学生優秀発表賞(ポスター発表の部)を受賞しました。
この賞は学生の研究意欲向上のため一般学術発表(口頭発表、ポスター発表)においてエントリー制で募集され、厳正なる審査の結果、優れた研究発表をおこなった学生に対し優秀発表賞が授与されました。
受賞対象となった演題は「選択的化学療法に向けた腫瘍表面適用doxorubicin搭載二層型シート製剤の設計」です。本研究では、化学療法で障壁となる全身および臓器内非病巣部への非特異的な薬物分布による副作用や急速な消失を克服するため、臓器表面の癌病巣へ貼付する抗癌薬doxorubicinを搭載したシート製剤を開発しました。各種添加剤のシート製剤への配合および二層型とすることで、腹腔側への薬物漏出抑制および放出制御を達成し、doxorubicinの選択的な送達により腫瘍増殖が著明に抑制されました。今回の研究成果は、癌に対する有望な選択的化学療法を確立するための基礎的情報を提供するものと期待され、高い評価を得ました。