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J-PEAKS推進の中でURAの果たす役割とは 本学3人目の「認定URA」資格取得者、松永英美さんに聞く

URA(ユニバーシティ・リサーチ・アドミニストレーター)は、研究者と二人三脚で研究活動を支えるプロフェッショナル職です。(※)研究者あるいは研究グループの研究活動を活性化させ、組織全体の機能強化を支える人材であり、研究力の向上、強化に欠かせない存在として、その数が増え、認知も上がりつつあります。

それに伴い、URAの業務の質を担保すべく、リサーチ・アドミニストレータースキル認定機構が設置され、URAスキル認定制度も始まっています。

本学では2024年に地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)にプラネタリーヘルスの実現を軸としたプロジェクトが採択されました。それに伴い、研究体制の強化が急ピッチで進められ、その一環としてURAの増員と質の向上にも注力しています。そして、学内におけるURAの職階制度の整備に着手するなど取組みが本格化する中、本学3人目の認定URAとなった研究開発推進機構の松永英美さんに、これからのURAの果たす役割や期待について、お話を伺いました。

Q そもそも、なぜURAに関心を持ったのですか?
――私はもともと事務職員で、8年ほどは研究支援をする部門に在籍し、研究契約の締結や知的財産室の業務支援、安全保障上の管理などに携わっていました。しかし、当初はとにかく知らない言葉、分からない内容ばかりで、仕事を円滑に進めるため、そして研究者の先生方の信頼を得るために、私自身、勉強しないわけにはいかない状況でした。その結果、事務職ではあったものの安全保障輸出管理に関する資格を2つ、知的財産管理に関する資格を2つ取得しました。その後、リスクマネジメント部門のURAの方の退職などに伴い、誰か代わりが務まる人はいないかという話になり、どなたかが私を推薦してくださったようです。それがURAへの入り口でした。

Q 認定URAの資格取得に挑戦しようと思った動機は何だったのですか?
――URAとして業務を続けるうちに、自分の持っていた知識が古くなっているのではないかと不安に感じ、一度自分の知識を棚卸してみようと思い立ったのがきっかけです。最近は一人の研究者の一つの研究について担当するのではなく、複数部署をまたいだ大型研究プロジェクトが増え、専門職としてより質の高い仕事をしなくては、という意識も背景にありました。15科目に体系化された、FundamentalとCore、計30科目の研修受講と確認テストを通して自分の知識を刷新することが出来ました。そして、事務職出身という自分のキャリアを考えると、認定URAの資格を取得することが、研究者の先生方から客観的な信頼を得られる大きなポイントになるのでは、という思いもありました。

Q J-PEAKS採択を経て長崎大学はURA採用を強化しています。URAに求められる仕事の内容も変わりますか?あるいはどのような点が期待されていると感じていますか?
――まだこれからのことなので確たることは言えません。ただ、私は二つの役割を期待されると思っています。一つは積極的な戦略提案です。研究プロジェクトの大型化により、学外との連携や外部資金の流れの管理など、仕事の幅は従来以上に広がると思います。研究者から受けた依頼をこなすのではなく、研究者が気付かないこと、苦手なことを先回りしてマネジメントしたり、より良い選択肢を提案したりするなど、研究プロジェクトを円滑に進めるブースターのような役割が求められるのではないかと思います。もう一つは研究プロジェクトの足元を固めることです。プロジェクトをどんどん前に進める一方で、安全保障や輸出管理、成果発表等に際し使用許可等の確認を促すなど、足をすくわれかねないリスク要因を洗い出し、予めアラートしたり、潰したりしていくという役割も求められるのではないでしょうか。

Q ご自身が目指すURA像…こんなURAになりたい、という姿を教えてください。
――端的に言えば、柔軟な思考を持ったURAといえば良いでしょうか。「こうしたい」という要望に対し、出来ない理由ではなく、こうしたらできるのでは、という提案や選択肢が提示できるよう心掛けたいです。様々なステークホルダーから話しかけてもらいやすい存在になって、的確な支援ができるチームの一員として受け入れられるURAを目指したいと思います。そして私の仕事を見て、自分もURAになってみようかな、挑戦してみようかな…と思ってくれる事務職の同僚が増えてくれれば、望外の喜びです。

※URAの業務等については、これまでの認定URA資格取得者のインタビューも参照ください。
https://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/news/news3780.html
https://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/news/news4285.html

参考
長崎大学HP(J-PEAKS)
https://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/pickup/J-PEAKS/
長崎大学プラネタリーヘルス特設サイト
https://www.plh.nagasaki-u.ac.jp/

本学3人目の認定URA資格取得者となった松永英美さん