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東日本大震災・支援活動

福島未来創造支援研究センター

(12)理事長室からの花だより

2018年05月31日

   震災直後の福島県立医科大学(福島医大)理事長兼学長の菊地臣一先生との出会いは、運命的でした。「骨を拾うから粉骨砕身、福島の為に尽力するように」との激励のお言葉を頂き、福島原発事故直後からの諸事対応に奔走することとなりました。当時、初めてお会いした時に感じた、飄々として難題に挑まれる立ち振る舞いの優雅さは、厳しい指導力とは対極的でもあり、今回その人間性の深みを知る機会を、再びの福島入りで果たしたような気がしています。
   大学のトップとして3期9年間、震災前後での重責を果たされる傍で、忙中閑ありではありませんが、「理事長室からの花だより」を毎週書き続けられ、大学ホームページ(https://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php)で公開され、退官を機に一冊の本としてまとめらました。まさに小さな積み上げの成果です。
   菊地臣一理事長から福島医大の教職員、学生らが拝聴したお言葉には数多くの箴言が含まれていますが、毎年の入学式と卒業式では必ず3つのことに言及されておられました。医療人として、「人生とは、不条理と矛盾にあふれているが、それに耐える精神力を養い、同時に人生とは、配られたカードに文句を言うものではなくありのままを受容し、そして、愚直なる努力の継続の結果、人生の扉は他人が開く」という内容です。まさに崇高な志と聡明な知力が醸し出す良識ある文化人がいる限り、福島の復興と創生は間違いなく前進するものと確信されます。