ご挨拶

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「海洋未来科学」をリードする長崎大学の新たな学際研究拠点として

海洋未来イノベーション
機構長

武田 重信

 海洋は、そこに暮らす多様な生物の活動も含め、様々な形でエネルギーが行き交うダイナミックな場であると同時に、地球環境の安定に大きな役割を果たしています。その自然の姿を理解し、生態系を保全しつつ、エネルギーや生物資源を持続的に利用していくことは、海に囲まれた日本にとって基盤となる課題です。
 長崎は、東シナ海の生態系に支えられた豊かな水産物など海の恵みを長年にわたって享受しながら発展してきましたが、風や潮流といった自然エネルギーにも恵まれていることから、海洋エネルギー開発においても日本の中心的な役割を担う場所になるポテンシャルを有しています。2014年7月、長崎県五島列島周辺海域がわが国の「海洋再生可能エネルギー実証フィールド」に選定されたことを受けて、現在、海洋エネルギー関連分野における研究開発の推進と産業創出に大きな期待が集まっているところです。2016年3月には、長崎県、長崎海洋産業クラスター形成推進協議会、長崎総合科学大学と長崎大学の4者で、産学官の連携を強化するための研究協力に関する協定を締結しました。
 このような背景の基、海洋未来イノベーション機構は、海洋エネルギー開発、海洋環境保全・回復ならびに海洋生物資源の持続的利用を同時に可能とする融合研究プラットフォームとして、2016年4月に長崎大学に新たに設置されました。その担うべき役割として、①海洋産業創出のための産学官連携拠点の形成、②世界をリードする総合的な海洋研究拠点の形成、③海洋産業を担う研究者・技術者の育成を、3本の柱として掲げています。これらの成果を社会に還元し、長崎地域さらにはわが国の海洋未来産業の発展に寄与することを目指しています。
 本機構の特色は、海洋エネルギー利用・マネジメント技術の革新、海洋生物環境モニタリング技術の開発、世界最先端の養殖システム開発など次世代型の水産技術革新といった海洋のイノベーションを創出するための様々な課題に総合的に取り組むため、工学系、水産・海洋系、環境科学系の研究者が協働して研究と教育を推進していく体制を構築していることです。五島列島等の離島における海洋エネルギー産業創出と水産業の活性化を、海洋環境の保全を図りながら達成するビジネスモデルの確立は、本機構の強みを最大限に発揮できる課題の一つです。
 国際的には、海洋エネルギー開発を先導している英国等の海外の大学や研究機関とも連携しながら、実証フィールドと東シナ海を活用した学際的な教育研究を海洋の現場で進めていきます。将来的には、海洋エネルギー開発・使用システム研究の国際拠点として、アジアへの展開も視野にいれています。そのために、先端的な海洋工学技術と海洋環境・生物資源に関する幅広い知識を有し、海洋の開発・利用・保全を総合的に担うことのできるグローバル人材の育成に向けた教育プログラムの整備・充実にも力を注いでいきたいと考えています。
 本機構は、「海洋未来科学」をリードする長崎大学の新たな学際研究拠点として、海洋産業の振興による社会の活性化に貢献していきますので、皆様のご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。