本城 舞 さん
多文化社会学部オランダ特別コース 2年生 大分県立大分上野丘高等学校出身
一般選抜 前期日程
(取材&撮影 2025年2月)
日蘭関係史の新たな真実を探る
研究者を目指します
 本城さんは地元の大分市で遺跡や史跡を案内する歴史ガイドの経験から、近世の日本の歴史に興味を持ちました。大分市中心部、旧称で豊後国府内は、南蛮貿易の地として発展した歴史があります。しかし、江戸時代「鎖国」により貿易は長崎出島に集約され、オランダが欧州唯一の貿易相手国になりました。日本史の知識がどんどん深まるにつれ、本城さんは当時の世界最先端の学問や文化を日本にもたらしたオランダに魅力を感じるようになります。次第に日蘭関係史の研究者になりたいと夢を抱くようになり、オランダの言語と文化を体系的に学ぶことができる大学を調べて、高校1年生の頃には長崎大学多文化社会学部オランダ特別コースへ進路を定めていました。現在は、オランダ語で書かれた史料を読解することを目標に、同国にまつわる様々な講義を受講して学びを深めています。

 一方、課外活動では観光ガイドを長崎でも継続中です。講義や短期留学で身に付けた英語力を活用して外国人観光客も案内しています。さらに、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館での被爆体験の朗読ボランティアにも参加。「祖母の兄が原爆投下後に長崎で救援列車を運転していた話を聞いており、自分も原爆と無関係ではないと感じていました。また、高校時代に放送部で活動していた経験を活かしたいと考え志願しました。この活動で原爆がもたらす悲劇をより多くの人に伝えたいと思います」。長崎の地に根差した活動の中で、学業以外でも着実に経験を重ねています。
3月9日、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館で開催された『9日を忘れない』で朗読する本城さん。

写真提供:被爆体験記朗読ボランティア「被爆体験を語り継ぐ 永遠(とわ)の会」

効率的に勉強する秘訣を教えてください
入学者選抜要項で入試選抜の詳細を確認する
 志望校が決まっている場合、
毎年5月前後に発行される入学者選抜要項(大綱)を確認すると効果的に勉強を進めることができます。
多文化社会学部は英検準一級を取得すると共通テストの英語が満点扱いになる制度があることを知り、取得して共通テストの不安を軽減させました。また、数学が苦手科目なのですが、多文化社会学部では別の科目を選択することで数学受験を回避することができました。各学部で選抜試験の内容は異なります。事前に調べておくと対策できます。
模擬試験はどう取り組んでいましたか?
模試ではA判定を取ることが目標にしていました
模試は受験に向かう姿勢を養うことができるし、理解できていない部分を洗い出して補うことができる貴重な機会です。
 私の場合、志望しているオランダ特別コースが募集人数3人と少なく、狭き門であるため、模試ではA判定を取ることを目標に、毎回本番同様の意識で受験していました。また、模試の振り返りは小さいメモ帳に書いて持ち歩き、時間があれば見返すようにしていました。
二次試験(個別学力テスト)での英語対策を教えてください
私流の「長文読解力を養う勉強法」を紹介します
 多文化社会学部の二次試験では英語が必須科目で、長文読解力が求められます。長文対策として私は先生から指導された方法で取り組みました。まずは自分の力だけで長文を読み、問題を解きます。2度目では、分からない単語を辞書で調べて一文ずつ文構造を把握しながら解き直します。3度目は答え合わせをしながら訳文と照らし合わせて読みます。
3回読むことで、確実に内容を掴み、単語や文章も記憶することができます。

 一方、英作文の問題では25分で解くことを目標に練習しました。前半の5~10分で構造を考え、残りの時間で英文にまとめる練習を何度も行いました。
小論文や面接はどう準備しましたか?
普段から新聞やニュース番組を見て情報収集していました
 私の受験した年(2024年度一般選抜)の多文化社会学部の2次試験では、小論文の代わりに総合問題が課されていました。どんな設問が出題されても意見を示すことができるよう、テレビのニュースや新聞の国際面を見て世界規模での問題について知見を広げました。またニュース解説番組などで国際問題の根本を見定める訓練をしました。 面接の準備では、高校の個別指導や担任の先生と2日に1回ほど面接の練習をし、返答内容を練り直す作業を繰り返しました。

※多文化社会学部は2025年度一般選抜(前期日程)より一部試験方法を変更しました。具体的な変更点は、個別学力検査における批判的・論理的思考力テスト(総合問題)を廃止し、小論文とペーパー・インタビューを新たに課しました。オランダ特別コースでは、ペーパー・インタビューの代わりに面接試験を課しました。
オランダ特別コースでの唯一無二の学びと、手厚い言語習得サポートです

日蘭関係史を学びたい私にとって、オランダ特別コースがあることが最大の魅力です。多文化社会学部オランダ特別コースはオランダ語文化圏について人文社会科学の様々な角度から学ぶことができる日本で唯一のコースです。3年次後期で1年間、オランダ最古の大学・ライデン大学へ長期留学できることも勉強への励みになっています。オランダの視点から日本とオランダの関係について学ぶことができるところが将来の目標に直結すると感じています。留学までにオランダ語をしっかり身に付けたいと思います。

オランダ語と平行して英語の習得も全力で取り組んでいます。学部内には日常的に英語を学ぶことができる環境があります。講義が英語で進められる科目があり、グループでのディスカッションでは毎回違うメンバーで行うので、ほどよく緊張してよい刺激を受けています。また、国際学寮ホルテンシアでは留学生と生活を共にすることができます。 さらに語学留学への手厚い支援もあります。私は1年生の夏にフィリピン留学を経験しました。留学先にはEnglish only policyという英語しか話してはいけない決まりがあり、鍛えられました。該当する単語が浮かばなくても別の単語を補って文章化できるようになったことが大きい成長だと感じています。また、文教キャンパス内では定期的にEnglish Caféが開催されているので、学内でも英語でのコミュニケーション力を磨いています。


 

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■日時:2025年4月25日(金)17:30-18:30

■会場:長崎大学文教キャンパス グローバル教育棟3階 G-3A教室


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■日時:2025年4月27日(日)13:30-15:00

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