学長室

尊敬するご来賓の皆様，世界各国から招待された多くの大学を代表して，ここに創立70周年の祝辞を述べさせていただくことを大変光栄に存じます。

日本の長崎は古くから中国との結びつきのとても強い町でありました。
17世紀から300年近く続いた鎖国時代も中国からの文化，学問，情報は長崎を唯一の窓口として日本に伝えられました。
このように長崎は日本の都市の中でもっとも強く中国文化の影響を受けて成長してきた町であります。

なかでも，長崎の地と福建の地とは，長く深い友好関係を持っており，現在も長崎には福建省にゆかりの深い方々が大勢住んでおられます。そんな歴史背景から，現在，長崎県は福建省と，長崎市は福州市と姉妹都市となっております。

長崎大学と福建医科大学との学術交流は1996年に「両大学間の学術交流に関する協議」を行い，覚書を交わしたことから始まりました。
その後，2001年には「大学間交流協定」を締結し，以来，姉妹校として今日まで研究者の相互訪問，セミナーの開催，共同研究，共著論文の発表など多種多彩な交流を継続してまいりました。

私は17年前に始めて福建医科大学を訪問したとき，記念に，「福建医科大学」と書かれた，この赤いバッジを贈られました。本日まで大切に保管してまいり，本日の70周年記念式典に，私の胸に付けて，福建医科大学同窓生の気持ちで参列しております。

建校70周年，まことにおめでとうございます。
1937年に創設された福建医科大学は70年の歳月を経て，いまや２万人を超える教職員および学生を擁して，医学はも ちろんのこと，理学，管理学，法学などの学科が発展し，学士課程，修士課程，博士課程の人材の教育体系が整い，中国の教育・衛生事業の発展，とりわけ海峡 西岸経済区の建設に大いに貢献されていることはあまりにも有名であります。

さらにまた，中国はもちろんのこと，世界各地で活躍する数多くの優秀な人材を育成されて来られた実績も大なるものがあり，福建医科大学が教育研究を通じて中国のために，世界のために大いに貢献してこられたことに，心からなる敬意を表します。

福建医科大学は長崎大学の手本であります。そして，日本は中国を尊敬しています。
中国と日本両国の今後のさらなる友好を念願し，互いに手を結びあい，多くの有意の人材を育て，教育研究の発展に努力しようではありませんか。

福建医科大学創立70周年を重ねてお祝い申し上げるとともに，貴大学のさらなる発展と繁栄を祈念いたしまして，祝辞といたします。

長崎大学長　　　齋　藤　　　寛

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