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海洋未来イノベーション機構の山本郁夫教授らの研究が一般社団法人カーボンリサイクルファンド研究助成に採択されました

長崎大学は「海洋におけるCO2吸収・循環過程の見える化のための次世代モビリティの開発と沿岸浅海域のブルーカーボンの解析」のテーマで一般社団法人カーボンリサイクルファンド研究助成に採択されました。(期間:2022年8月1日~2024年7月31日)

  本研究は海洋未来イノベーション機構の山本郁夫教授研究室が中心となって開発した「ASV※1とROV※2連携システム」の知見を活かし、pCO2センサーやpHセンサーを搭載した自律計測型ASVとその計測システムを新たに開発し、浅海域の海中二酸化炭素濃度と藻場の育成状況を同時に把握することを目指します。(図1)

  CO2吸収、循環、藻場への寄与の解析においては海洋研究開発機構(JAMSTEC)及び長崎海洋アカデミー、地球環境面からは気象庁気象研究所、藻場などの生態面からは環東シナ海環境資源研究センターのGregory N. Nishihara教授の研究室にご協力いただきます。本研究によって、プラネタリーヘルスに関わる海洋センシング機能※3を有する海洋ロボットが創出できるとともに、海洋浅海域でのブルーカーボン※4の定量的な見える化とマッピングを行うことでCO2吸収・循環を正確に評価できるようになります。さらに、藻場の役割の定量的な評価を進めることができれば、カーボンリサイクル※5のための藻場育成の国際的機運を醸成することができます。

 


図1 海中CO2濃度と藻場の育成状況同時把握システム

 

※1 ASV : Autonomous Surface Vehicleの略 小型無人ボート
※2 ROV : Remotely Operated Vehicleの略 遠隔操作型無人潜水機
※3 海洋センシング:センサー(感知器)を使用して海中の情報を計測すること。
※4 ブルーカーボン:海域で吸収・貯留されている炭素のこと。2009年に国連環境計画 (UNEP) によって定義された用語。なお、最近では森林などの陸域で吸収・貯留されている炭素をグリーンカーボン、海域のものをブルーカーボンとして区別することが多い。
※5 カーボンリサイクル:CO2を炭素資源(カーボン)と捉え、これを回収し、多様な炭素化合物として再利用(リサイクル)すること。