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長崎大学プレスリリース「長崎大学とアステラス製薬:「顧みられない熱帯病」の抗寄生原虫薬のスクリーニング評価で共同研究開始 -抗寄生原虫活性評価により有望な化合物を選定 -」

  国立大学法人長崎大学(所在地:長崎、学長: 片峰 茂、以下「長崎大」)とアステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は本日、「顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases)、以下「NTDs」」(1) の治療のための抗寄生原虫薬の探索を目的とする共同研究契約を締結しましたので、お知らせします。

  NTDsは、主に発展途上国の熱帯地域において、貧困層を中心に蔓延している寄生虫や細菌ウイルスによる感染症です。世界で10億人以上が感染していると言われ、地球規模での保健医療問題として国の枠組みを超えた取り組みが行われています。NTDsの中でも、寄生原虫により引き起こされるリーシュマニア症(2)、シャーガス病(3)、アフリカ睡眠病(4)といった疾患は、未だ満足のいく治療薬が存在せず、研究開発が求められているアンメットメディカルニーズの高い疾患です。

  本契約の下、熱帯感染症研究で国内有数の研究機関として実績のある長崎大学熱帯医学研究所(以下「熱研」)とアステラス製薬は連携して、抗寄生原虫活性を有する可能性のある複数の化合物をアステラス製薬が提供し、熱研で抗寄生原虫活性を指標に評価します。本研究は、国内でNTDs研究のKOL(Key Opinion Leader)として実績のある熱研の平山謙二教授のアドバイスを受けながら進められます。

  研究は大きく二段階に分けて進めます。第1段階(一次スクリーニング)では、in vitro(試験管内)において3つの寄生原虫に対する化合物の殺原虫効果を測定します。第2段階(二次スクリーニング)では、一次スクリーニングで殺原虫活性の見られた化合物について、in vivo(生体内)での原虫血症や生存率の観察による効果確認をします。また、ライブイメージング法(5)を用いて、臓器特異的な感染濃度を測定します。

  長崎大とアステラス製薬は、世界で寄生原虫によるNTDs感染で苦しむ患者さんのために早期に治療薬が生み出されるように、本共同研究を通じた取り組みでグローバル規模の保健医療問題の改善に寄与します。

以 上

詳細は「長崎大学とアステラス製薬:「顧みられない熱帯病」の抗寄生原虫薬のスクリーニング評価で共同研究開始」(PDF:300KB)をご覧ください。