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エボラ出血熱迅速検査キットの供与と現地指導について

国立大学法人長崎大学(以下、長崎大学)と株式会社東芝(以下、東芝)が共同開発したエボラ出血熱迅速検査キット(以下、検査キット)が、4月下旬から西アフリカのギニア共和国で活用されています。今回、現地で活用されているのは、日本政府よりギニア政府へ緊急支援として無償供与された検査キットです(2015年4月17日外務省報道発表)。長崎大学熱帯医学研究所の安田二朗教授と黒?陽平助教がギニアに派遣され、検査キットの使用に関する技術指導を行うと同時に、現地での集中的なエボラ撲滅キャンペーンへの協力を実施しました。一連の支援は、3月に長崎大学が現地で行った実証試験の結果を高く評価したギニア政府からの要請を受け、外務省が決定したものです。

今回の派遣では、安田教授と黒?助教が、まず、コナクリ市にある国立ドンカ病院において現地スタッフに検査キット使用に関する技術指導を行いました。また、4月24日からコヤ県コヤ市(コナクリ市から東へ50kmの距離)で開催されたエボラ撲滅キャンペーンに参加し、移動式の検査車両で検査キットを用いて、エボラ出血熱疑い患者から採取された実検体の野外検査を行いました。ギニア政府はエボラ出血熱の終息に向けて「強化緊急衛生宣言」を発出し、3月28日から45日間にわたる集中的なエボラ撲滅キャンペーンを実施しておりましたが、コヤ市でのキャンペーンも一環として実施されたものです。

現在、西アフリカのエボラ出血熱のアウトブレイクは終息の方向に向かっているものの、ギニアやシエラレオネでは今もなお、大西洋側地域を中心に、週に10〜20人の新規感染者が報告されており、予断を許さない状況が続いています。6月には雨期に入り衛生状態が悪化することが懸念されていることから、雨期に入る前に新規感染者をゼロにすることが急務となっています。現地導入された検査キットが、エボラ対策の即戦力として有効活用されることを期待しています。

5月18日(月)11時より、長崎大学にて上記の内容に関するメディア向け帰国報告会を開催いたしました。
※2015年4月17日外務省報道発表について
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press3_000088.html

※今回のギニア派遣日程について
・4月21日 日本出発
・4月22日 ギニア共和国到着
・4月23日 同国首都コナクリ 国立ドンカ病院にて技術指導開始
・4月24〜25日 同国コヤ県でのエボラ撲滅キャンペーンへの協力実施
・4月26日 技術指導終了後、同国出国

以上


本件に関する問い合わせ先
国立大学法人 長崎大学 広報戦略本部電話095-819-2007
株式会社 東芝 ヘルスケア社 企画部 電話03-3457-2958










 

 

 

 

写真左=安田教授 右=黒?助教