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口渇、多飲、低張多尿などの疾患「中枢性尿崩症」の治療検討に有用な評価表を開発〜長崎大学病院 内分泌代謝内科

中枢性尿崩症とは、脳下垂体から分泌される尿量を調節するホルモン(抗利尿ホルモン)が不足することで、一日に数リットルもの大量の尿が出る疾患です。このため尿崩症の患者さんは、常に多尿に煩わされ、夜間尿のための睡眠不足や外出がおっくうになるなどのQOL(生活の質)の低下がありました。

これまでは、鼻の粘膜からスプレーなどで不足するホルモンを補充する方法が治療の主流でしたが、鼻粘膜の異常(鼻炎による鼻詰まりや充血)やスプレーの手技などにより効果が一定しない傾向があり、このようなQOL低下を評価するツールがなく、医療者側も患者さんのQOLの実情を十分に評価できていないのが現状でした。

長崎大学病院内分泌代謝内科 野崎彩大学院生、安藤隆雄講師らは、今回新規に内服の治療薬が開発、承認されたのをきっかけに、尿崩症症状に特化したQOL質問票を作成しました。質問票は12の質問で、患者さんが答える形になっています。現在治療中の患者さん30人に協力いただき、質問票で調査したところ、スプレー薬を使用中の患者さんのQOLが低下しており、内服薬に変更後にQOLが大きく改善し、満足した患者さんが多かったことがわかりました。

このように尿崩症に関連したQOLを簡便に評価できるようになったと同時に、尿崩症患者さんの治療内容を検討する際にも有用と思われます。

安藤隆雄講師と野崎彩大学院生

安藤隆雄講師と野崎彩大学院生