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アフリカでの熱帯病監視網システム構築とネットワーク化 日本医療研究開発機構が国際共同研究プログラムに採択

熱帯医学研究所の金子聰教授の共同研究開発が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が
公募した、「アフリカにおける顧みられない熱帯病(NTDs)対策のための国際共同研究プログラム」
に採択されましたのでお知らせいたします。

【研究開発課題名】

「アフリカのNTD対策に資する大陸的監視網に向けたイノベーティブ・ネットワークの構築:
一括・同時診断技術を基軸とした展開」

【研究開発概要】

本課題では、一括・同時診断技術を用いたアフリカの大陸レベルでのフィラリア症、住血吸虫症
などの顧みられない熱帯病(NTDs)に対するサーベイランスの構築とそのネットワーク化を目指し、
期間内に、以下の研究開発目標を達成する。

?地域特性に合わせた一括診断系の開発工程の構築:
地域による免疫状態や感染症の特徴を考慮した一括診断を最適化し、血清診断開発などに
展開する。

?アフリカ各地に導入可能なサーベイランス・システムの開発:
「衛星画像を用いた自動家屋登録」による調査台帳や「指穿刺による濾紙採血と乾燥検体の搬送」
による採血検体送付システムの構築によって、アフリカで導入・運用が可能なシステムの開発、
普及に向けてのリサーチを実施する。

?人材育成と情報共有のためのネットワーク形成:
長崎大学が構築した熱帯医学ネットワークを活用し、NTDsの研究開発から対策までの人材育成と
情報共有のアフリカ・ネットワークを構築する。

?サーベイランス情報とNTDs対策に関する行政との情報の共有化:
各国のNTD対策活動とサーベイランス情報の連動、NTD対策の企画から評価までの工程を各国政府と
構築し、科学的根拠に基づく公衆衛生対策のサイクルの活発化を目指す。

?国際社会に向けた情報発信基盤の整備:
収集した情報の発信、共有化により、アフリカ各国・地域を繋ぐネットワークの形成を加速させ、アフリカでの診断薬市場開拓、国際機関の協力・支援獲得を視野に入れ活動を展開する。



【研究開発実施期間】

平成27年11月1日から平成32年3月31日

【研究開発の将来展望】

1)一括・同時診断技術をコアとするNTDsに関するアフリカ・ネットワークの骨格の構築により、
ネットワークに参加する国々が増え、開発の加速化と情報量と情報の質の改善が見込まれる。
また、各国の情報共有と対策の担当者を繋ぐネットワークへの発展も期待できる。

2)研究開発を通じて、新たな発見が期待できる。例えば、ある病原体に対する血清診断の組み
合わせなどの検討により新たな検査試薬の開発と産業創出、知財財産の取得が期待できる。

3)公衆衛生活動としての展開が期待できる。NTDsに関する他の活動との連携と共同展開が期待
できる。健康改善に向けての取り組みとしての社会貢献に繋がることも期待できる。

4)日本発の研究のアフリカにおけるプレゼンス向上が期待でき、我が国の科学技術外交としての
情報発信の加速も期待できる(例として、TICAD VI(第6回アフリカ開発会議)においてなど)。
情報発信、本技術を軸としたネットワーク形成により、外部からの資金(国際的ドナーや
アフリカ開発銀行等)調達への展開が期待できる。

【資料】

こちらからダウンロード(PDF501.51 KiB)

【お問い合わせ先】  

熱帯医学研究所 環境医学部門 生態疫学 教授
金子 聰   
電話:095-819-7866
メールアドレス:skaneko@nagasaki-u.ac.jp