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図書館資料の保存と修復をテーマに実務研修会を開催(学術情報部学術情報サービス課)

図書館資料の保存と修復をテーマに実務研修会を開催

講演する宇佐美氏と熱心に受講する参加者たち

講演する宇佐美氏と熱心に受講する参加者たち

12月9日,附属図書館と長崎県大学図書館協議会との共催事業として,大学図書館職員を対象に「資料の保存と修復」をテーマとする実務研修会を開催しました。
はじめに,平林主査より「長崎大学附属図書館医学分館所蔵の紙製人体解剖模型(キュンストレーキ)」(貴重資料)の紹介と保存対策の説明が行われました。この模型は,本邦初の西洋医学教育の教材として,1860年にフランスから輸入された貴重なもので,原爆による焼失を奇跡的に免れて今日に伝わる被爆資料でもあります。
続いて,京都で古文書や文化財の修復を専門に営む宇佐美修徳堂の代表取締役で,この解剖模型の修復にも携わっている宇佐美直治氏による「貴重資料の保存の考え方と修復について」と題した講義と実演が行われました。数々の国宝や重要文化財の修復を手がけた経験に裏付けられた内容の講義は,非常に興味深いもので,日本各地の和紙を受講者全員に配布して,その手触りや紙質を確かめて産地と種別を当てるクイズ形式の実演などが行われました。
稀有な機会に,受講者から多くの質問があり,予定の時間を超過するほど,熱心な質疑応答が行われ,とても有意義なものとなりました。


(平成22年1月 学術情報部学術情報サービス課)