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環境科学部4年生の中川哲君が日本比較生理生化学会第39回大会において、発表論文賞(大会委員長賞)を受賞

環境科学部4年生の中川哲君(動物行動生理学研究室)が、2017年11月25,26日に福岡市で開催された日本比較生理生化学会第39回大会において、発表論文賞(大会委員長賞)を受賞しました。対象となった演題は「Temporal relationships of waving display between the dotillid crab (Ilyoplax pusilla) and robots」で、干潟に群生するカニの求愛行動に関する研究成果です。繁殖期を迎えたチゴガニの雄は、ハサミを繰り返し上下運動するウェービングと呼ばれる求愛ダンスを干潟表面で盛んに行いますが、自然界ではハサミの運動のタイミングが周囲を取り囲む多くの他個体と同期する傾向があります。一方、雌はより早いタイミングでハサミを振り上げる雄を好む傾向があります。中川君は、ウェービングを模倣するカニ型ロボット2体に雄カニ1匹を対面させ、カニとロボットの間でハサミ運動の時間的関係を調べました。その結果、2体のロボットが比較的そろったタイミングで稼働している時、カニは両ロボットより先行するタイミングを見計らってハサミを振り上げますが、ロボット2体を完全に交互のタイミングで稼働させる(すなわち両ロボットに先行できるタイミングが存在しない)と、カニは混乱して、一方のロボットから少し遅れてハサミを振り上げるようになることを見い出しました。これは、ロボットの利用が動物行動のメカニズムの解明に有効であることを示す好例であり、今後の研究成果が期待されるところです。

環境科学部4年生 中川哲君

環境科学部4年生 中川哲君

環境科学部4年生の中川哲君が日本比較生理生化学会第39回大会において、発表論文賞(大会委員長賞)を受賞