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水産・環境科学総合研究科(水環境科学研究室)の成冨真由さんが,日本地下水学会2018年秋季講演会で若手優秀講演賞(口頭発表)を受賞

水産・環境科学総合研究科(水環境科学研究室)の成冨真由さんは、日本地下水学会2018年秋季講演会で若手優秀講演賞(口頭発表)を受賞しました。

受賞対象となった研究発表は、環境科学部の卒業研究として実施した「長崎県対馬における温泉水の起源および流動機構の解明」です。
長崎県の島嶼地である対馬では、生活用水の8割を地下水に依存しているものの、その起源や流動機構は未解明でした。

本研究では、対馬の地表水・地下水・温泉水を対象として現地調査を行い、採水した水試料の溶存イオン・微量金属元素・同位体比・溶存希ガスを分析し、地下水の涵養から流動にかけてのメカニズム解明に挑戦しました。いずれの水も、雨水が地域水資源の起源であることが判明しましたが、温泉水は顕著に低い同位体比を示したことから放射性炭素濃度による年代推定を実施しました。その結果から推定された見かけ年代が約4万年であることが判明したことから、現在では周囲を海に囲まれているものの、現在よりも海水面が低く陸域が拡大していた氷期に降った雨水が温泉水となり、淡水性を示したまま存在していることを明らかにしました。
こうした内容の発表が高く評価され、若手優秀講演賞を受賞しました。

成冨真由さん
成冨真由さん