3月22日,2008年ノーベル化学賞を受賞した下村脩名誉博士が本学を訪問し,中部講堂において,ノーベル化学賞受賞記念講演を行いました。 講演会に先立ち,長崎大学名誉博士称号授与式が行われ,片峰学長から第1号の名誉博士記が授与され,併せて記念品が贈呈されました。 その後,大学生や長崎県内の高校生,中学生など700名を前に下村名誉博士による講演が行われました。 ノーベル化学賞受賞後,日本国内で初めてとなる講演は,「ノーベル賞受賞の原点−長崎大学」と題して,戦前から長崎県内で暮らしたこと,長崎に原爆が投下された日のこと,長崎医科大学附属薬学専門部(現在の薬学部)に入学したいきさつなど長崎にまつわる話から始まりました。 生物発光の研究を始めたきっかけや名古屋大学での研究,フルブライト奨学生として渡米しオワンクラゲと出会ったこと,またオワンクラゲから緑色蛍光タンパク質を発見するまでの苦労などが,時にユーモアを交えながら紹介され,聴講者は熱心に耳を傾けました。 最後に,若者に向けて「どんなに難しいことでも,努力すれば何とかなる。絶対あきらめないで成功するまで頑張ろう」と激励の言葉が贈られ,会場からは大きな拍手が沸き起こりました。 次に質疑応答が行われ,「何のためにクラゲは光るのか」との高校生の質問に,下村名誉博士からは「クラゲに聞いて」と冗談めいた回答も飛び出し会場は爆笑に包まれるなど,下村名誉博士の人柄に触れた聴講者たちは感動に胸を熱くし,気持ちを新たに今後の努力を誓いました。 さらに講演会終了後,薬学部に完成した下村脩名誉博士顕彰記念館のオープニングセレモニーが催され,下村名誉博士や片峰学長らがテープカットを行いました。なお,同館には下村名誉博士の功績に関するパネルや論文等80点が展示され,平日の10時から17時まで一般公開されています。 また,長崎全日空ホテルグラバーヒルにおいて,ノーベル化学賞受賞祝賀会があり,薬学専門部時代の同級生や各界から約300人が出席しました。教育学部附属小学校金管バンド部による祝賀演奏の後,主催者を代表した片峰学長の挨拶,下村名誉博士による挨拶が行われ,同窓生代表の伊豫屋長薬同窓会会長からの発声で乾杯し,ノーベル化学賞受賞を盛大に祝いました。
講演要旨はこちら(PDF ファイル) (平成21年3月・総務部総務課)
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 授与された名誉博士記を披露する 下村名誉博士(左)と片峰学長
 満席の講演会会場
 記念講演
 緑色蛍光タンパク質(GFP)の披露
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