2021年06月09日
長崎県が主体となり,若い女性の視点を取り入れたまちづくり支援の取り組みがスタートしました。この企画には,県内の大学生,商店街の関係者、島原市等が参画し,意見交換,フィールドワークを行いながら,現状の課題を抽出し,解決に向けてのアイデアを考えていきます。
2020年5月19日(水)この企画のキックオフオリエンテーションが開催され,長崎大学からは,地域経済が専門の山口純哉准教授とそのゼミ生が参加しました。その他には,活水女子大学の長田太郎特別講師と同校学生,そして島原市商店街の方々も参加しました。
最初にグループ分けを行い,自分にとって商店街がどんな存在なのか,そしてどんな存在になると良いのかについてディスカッションが行われ「フリースペースなど友人と話ができる場所があれば良い」,「人とのつながりを感じられる場所になれば良い」などの意見が出されました。
続いて,長崎大学山口純哉准教授が講義を行いました。講義では,青森市の新町商店街を例に独自のカタログ制作,アップルパイ作りの体験学習,ねぶた祭りをモチーフにした洋服作りなど,商業×観光をテーマにした取り組みを紹介しました。
今後は,商店街でのフィールドワークや店主との座談会などが予定されており,来年2月に課題解決に向けてのプレゼンテーションを行います。
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■経済学部山口ゼミ生の意気込み
上段左から、古賀、山口、春田 下段左から、冨高、尾中、ジャン |
ゼミ生:古賀さん
私は、大学入学後にキャンパス付近の商店街をよく散策するようになりました。そこで出会った個人経営の商店が、今ではお気に入りのお店です。そんな経験から、商店街の価値はスーパー等にはない、こだわりのある商品が買えることではないかと考えるようになりました。今回は、島原の商店街の人、こだわりを汲みとり、それらを活かした提案を立案していきます。
春田さん
私にとって商店街とは、バイトの給料日後に、お疲れ様の意味も込めていつもより良い品物を買いに行く場所であり、その商店の方々と気兼ねなく話せるコミュニケーションとしての場所でもある、様々な幸せを感じる場所です。この活動でも、島原の商店街が持つ幸せを感じられる要素に注目し、島原のこと、商店街のことをよく考えた上で提案をしていきます。
冨高さん
島原の長所を伸ばし、短所を改善するべく、まずは島原市の現状を理解することが重要だと考えます。その上で学生、そして若者として地域の方が納得のいく意見を述べ、より若者が集まるまちづくりについて検討します。そして今回の活動で得たものを今後のゼミ活動にも取り入れたいと思います。
尾中さん
大学生で一人暮らしを始めた際、商店街の八百屋さんによく足を運んでいました。慣れない一人暮らしの中で、料理の相談や旬の野菜の美味しい食べ方など他では得られない事を多く教わりました。今回の活動の中で商店街の人の温かさが周りの人に伝わるように、また今後も受け継がれていくような提案をしたいと思います。
ジャンさん
旅行先で地元の特色があるところをよく散歩しますが、特にその町らしさのある商店街を歩くのが好きです。しかし、最近はどんどん商店街がなくなり寂しさが感じられます。そうならないためにも、島原の商店街だけの魅力を探してその魅力をより活かした「歩いてみたい、行ってみたい」と思える商店街を外国人の立場で考えていきます。
■主催:長崎県 男女参画・女性活躍推進室
キックオフオリエンテーション:女性の未来参画推進事業(若い女性の視点を取り入れたまちづくり支援)スキーム図
■参画教員のご紹介
経済学部 山口純哉 准教授 撮影:木村雄司 |
■研究 専門は地域経済学。どうすれば神戸市長田区のケミカルシューズ産業が阪神淡路大震災の被害から復興するのか,が最初の研究テーマ。商店街を含む産業集積,ソーシャルビジネス,震災復興などの視点から,持続する地域経済・社会のあり方について考えている。 ■教育 「遠い時間、広い空間、多様な人を想う心と考える頭を持った人材の育成」が20年来変わらないミッション。 ■研究室FBページ https://www.facebook.com/jylab ■その他 ・NBC長崎放送Pint・まるわかり経済に多数出演。 ・長崎大学リレー講座2020「新型コロナウイルス感染症と長崎経済の展望」出演 |