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  • 受 賞

環境科学部4年生の石神あすかさん (環境システム分野) が環境科学会2021年会において最優秀発表賞を受賞

環境科学部環境政策コース4年生の石神あすかさん (環境システム学分野、重富ゼミ) が、令和3年9月10日にオンラインで開催された環境科学会2021年会において、学部・高専生・高校生等の部の富士電機賞 (最優秀賞) を受賞しました。環境科学会は環境分野から広く研究者や学生が集まる全国大会です。
本賞は、当日のポスター発表において、優秀な研究発表を行った学生に贈られます。

石神さんは、「少子高齢化を考慮した世帯形態別食品ロス量とライフサイクルCO2の推計」という演題で発表し、日本の家庭から排出される食品ロス (まだ食べられるのに捨てられている食品) 量と、そのロスに由来するライフサイクルCO2 (食品の原料から生産までの段階で生じるCO2) 排出量を、世帯主年齢の違いに着目して可視化することに成功しました。その結果、世帯主年齢が上がるほど一人あたり食品ロス量は増加していく傾向が見られ、最大の60歳代と最小の20歳代以下の一人あたり食品ロス量には2倍近くの差が生じている可能性が示唆されました。一方で、ライフサイクルCO2は若い世帯主年齢の世帯ほど外食が多く、食品ロス量ほど大きな違いが生じていないことも明らかとなりました。さらに、今後の少子高齢化に伴う日本全体の世帯構造の推移をもとに今後の食品ロス量を推計すると、2040年の食品ロス量は2015年と比べて2.1%減少すると見積もられました。

本研究は、食品ロスと環境問題の関係を、年代ごとの食生活の違いに注目して分析した非常に独創性の高い内容であり、昨今のSDGsのゴール12にも深く関連しています。今後は、より健康な食生活へのシフトと食品ロス・温暖化対策の両立の観点から、本学が目標に掲げるプラネタリーヘルス研究として発展していくことが期待されます。