2023年07月28日
ながさきBLUEエコノミー総会会場の様子 |
2023年7月5日(水)、長崎サンプリエールでながさきBLUEエコノミー総会が開催されました。ながさきBLUEエコノミーとは、海の生物と環境を保護しながら資源の利用を行い、地域経済の持続的な発展を目指す取り組みであり、長崎大学をはじめとする産官学の協力によって推進されています。
総会は参加者142名(オンライン含む)の養殖業界や関連研究者、企業などからなる多彩なメンバーが集まり、意見交換や情報共有が活発に行われました。本学河野茂学長による挨拶及び協和機電工業株式会社 坂井代表取締役からの祝辞に始まり、長崎大学海洋未来イノベーション機構の中村乙水助教と征矢野清教授から活動報告が行われました。
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中村助教は「バイオロギング手法を用いた養殖魚の行動モニタリングの試み」と題して、動物の行動をモニタリングするために用いられるバイオロギングと呼ばれる技術を養殖魚へ応用する試みについて報告しました。
バイオロギング手法では、養殖魚に記録計を装着し、個体の行動を連続的に記録します。この手法を用いて、養殖魚の行動パターンを把握することで、給餌中の摂餌量の定量化や遊泳量の定量化を行うことが可能です。また、この行動パターンをA I化し、自動給餌機と連動させることで最適給餌を行えるようになることから、養殖業の持続可能性向上に貢献することが期待されています。
次に、征矢野教授は、ながさきBLUEエコノミー活動概要について報告しました。
近年、国内の水産業は生産量・生産額の減少による生産性の低下、就業者数の減少、高齢化や後継者不足など人的な課題、自然被害や海域汚染などの自然環境変化などのさまざまな課題に直面しています。しかし、このような困難な状況の中でも、長崎大学を中心としたこの養殖業産業化への革新的な取り組みは、参加者に大きなインパクトを与えていました。
ながさきBLUEエコノミー総会は、このような目標を達成すべく集まった産官学の多彩なメンバーが、それぞれが担うべき役割について話し合い、その進捗状況を共有する貴重な場です。今回の総会も最後まで参加者の熱意と熱気が冷めることなく、盛り上がりを見せた総会となりました。
https://blueco.ciugc.nagasaki-u.ac.jp/
![]() 中村 乙水 助教 |
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![]() 征矢野 清 教授 |
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●産・官・学のプロジェクト「ながさき BLUE エコノミー」海の食料生産を持続させる養殖業産業化共創拠点を本格始動|長崎大学 (nagasaki-u.ac.jp)