2024年06月28日
大学院医歯薬学総合研究科 先進予防医学共同専攻 博士課程3年の小笹 宗一郎さん(総合診療学分野)の研究成果発表が、2024年6月7–9日に静岡県浜松市で開催された第15回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会で、若手研究優秀賞を受賞しました。受賞対象となった題目は「ソーシャルネットワークと脆弱性骨折の関連:Nagasaki Islands Study」です。同学術大会は日本プライマリ・ケア連合学会が年に1度開催する大規模な学術集会で、6500名を超える参加者が集まりました。
小笹さんは、総合診療学分野の前田教授と山梨准教授、離島・へき地医療学講座の宮田助教の指導の下、長崎大学が長崎県五島市で2014年より展開している「Nagasaki Islands Study」と呼ばれる地域住民コホート研究において、高齢者の社会的なつながりと脆弱性骨折の関連を研究しています。今回、「趣味・楽しみの有無」や「近所付き合いの有無」、「近所以外の人との付き合いの有無」と脆弱性骨折の発生リスクを調べたところ、「趣味・楽しみがないこと」や「近所以外の付き合いがないこと」は脆弱性骨折の発生と関連し、「近所付き合いがないこと」についても、脆弱性骨折の発生に関連している傾向が認められました。近年、健康の社会的決定要因と疾病との関連が注目されており、「社会的なつながり」が骨折予防の観点からも重要、ということを示唆する重要な知見を示せたことから、若手研究優秀賞の受賞に至ったものと考えられます。
日本プライマリ・ケア連合学会学術大会の若手研究優秀賞は2020年に創設され、特に質の高い臨床研究発表に対して贈呈される、日野原賞(最優秀賞)に次ぐ賞となっています。
●日本プライマリ・ケア連合学会 若手研究優秀賞について
URL: https://www.primarycare-japan.com/assoc/activity/ac_jou_wakate/
●Nagasaki Islands Studyについて
URL: https://mdp.nagasaki-u.ac.jp/nais/