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  • 社会連携・貢献

ダイバーシティ推進センターが市民公開講座「海洋分野における働き方の未来」を開催しました

 長崎大学ダイバーシティ推進センターは、2024年12月15日(日)に、日本水産学会九州支部との共催で令和6年度市民公開講座「海洋分野における働き方の未来」を文教スカイホールにて開催しました。本講座は、日本水産学会九州支部例会を兼ねており、長崎大学が推進する「ながさきBLUEエコノミー」プロジェクトの後援を受けたものです。
 第一部では、3名の講師による講演が行われました。最初の講演者となる水産学部の広瀬美由紀准教授は、「ながさきBLUEエコノミー」プロジェクトの人材育成部門のリーダーとして、長崎大学・北海道大学・琉球大学が連携して人材育成プログラムの構築を目指す取り組みについて紹介しました。また、高島水産研究所が拠点となる「サイエンスアイランド高島」構想についても触れ、次世代の水産業と地域活性化を担う若者の育成を目指すビジョンが共有されました。
 続いて、水産学部の松下吉樹教授が水産業における働き方の変遷と現状の課題について講演し、多様な価値観を持つ人々が水産業に参画することで、単に美味しさや新鮮さを追求するだけでなく、環境に優しいといった新しい魚の価値を創造されていく可能性を提起しました。
 最後の講演では、株式会社天洋丸の竹下千代太代表取締役社長が登壇しました。同社の取り組みとして、男性漁師の育児休暇取得の推進やリモート社員の雇用、外国人技能実習生などの活用を紹介しました。また、「一年漁師」という期間限定の漁師募集プログラムを通じて異業種や異なる価値観を持つ人々を受け入れることで、職場環境や就業規則の見直し、他業種との交流が進んだ事例が報告され、このプログラムで本学多文化社会学部の卒業生が活躍していることも紹介されました。
 第二部では、第一部の講演者に加え、多文化社会学部の細田尚美准教授、長崎鶴洋高等学校の荒川和美教諭、水産・環境科学総合研究科博士前期課程2年の山本悠里さんをパネリストに迎え、パネルディスカッションが行われました。このセッションでは、参加者の高校生から寄せられた質問に答える形で、水産業における働き方の未来像について活発な議論が交わされ、パネリストたちはそれぞれの経験や視点から丁寧に回答しました。
 今回の市民公開講座には、将来の水産業と地域活性化を担う高校生や大学生も参加し、盛況のうちに終了しました。本講座を通じて、多様な人材が関わることで実現できる水産業の新たな価値や働き方の可能性が共有され、地域全体に前向きな影響を与える契機となることが期待されます。
 長崎大学は引き続き、ダイバーシティを推進していくとともに、「ながさきBLUEエコノミー」プロジェクトをはじめとする取り組みを通じて、地域社会や次世代の人材育成に貢献していきます。

広瀬美由紀准教授(長崎大学水産学部) 松下吉樹教授(長崎大学水産学部)
竹下千代太氏(株式会社天洋丸 代表取締役社長) パネルディスカッションの様子