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原爆犠牲者慰霊祭を挙行

2025年8月9日(土)午前10時55分から医学部記念講堂において、学長、理事、医学部長、教職員ら約160人の出席のもと原爆犠牲者慰霊祭を執り行いました。本慰霊祭は、原爆死没教職員・学生898人の御霊を慰めるため毎年実施しており、今年は被爆80年目にあたります。

はじめに式辞において池松医学部長から、核兵器は依然として国際社会における暴力の象徴として存在しており、その上実際の使用が現実味を帯びる状況すら生じていること、米国の原子力科学者会報が2025年1月に発表した2025年の終末時計によると、人類の終末まで「残り89秒」であり、史上最も短い時間であること、長崎大学は本年度、「継承と行動」をテーマに掲げ、語り継ぐだけでなく、行動することが今、この時代を生きる私たちの責務と感じていることを話され、国内唯一の被爆医科大学として、核兵器の非人道性を訴え、科学と倫理に基づいたグローバルな連携と実践を通じて、平和で健康な未来の実現に向けて取り組んでいくとの決意を述べられました。

引き続き、原子爆弾投下時刻の午前11時2分に合わせて、参列者全員による黙祷が捧げられた後、医学部長をはじめ大学関係者ら参列者全員による献花を行いました。

つづいて、原爆後障害医療研究所の中島正洋所長から、戦闘が続く厳しい現実からも、今こそ被爆の実相の継承と世界との共有が必要であること、地球全体の生態系に対する責任と神秘を感じながら、この惑星の環境や生物、そして人間の社会について学び続け、新たな行動を起こしていくべきであるとの講話がありました。

最後に、遺族を代表して青木克己氏からのご挨拶をもって閉式となりました。

慰霊祭終了後には、医学部福利厚生棟において追悼懇談会を行い、医学部キャンパスは祈りの1日となりました。

式辞を述べる池松医学部長
参列者全員による献花
講話をする中島原爆後障害医療研究所長

ご遺族を代表して挨拶される青木克己氏