HOME > NEWS > 詳細

News

ここから本文です。

  • トピックス

本学高村昇教授が館長を務める東日本大震災・原子力災害伝承館の来館者が2025年8月24日(日)、40万人に到達しました。

本学高村昇教授が館長を務める東日本大震災・原子力災害伝承館の来館者が2025年8月24日(日)、40万人に到達しました。


40万人目の来館者となったのは、茨城県境町の門脇裕樹さん、妻陽子さん、娘の綾香さんご家族です。

原爆後障害医療研究所教授で福島未来創造支援研究センターの高村昇センター長が館長を務める東日本大震災・原子力災害伝承館(以下 伝承館)の来館者が開館から4年11か月で来館者が40万人に到達しました。これを受けて高村教授は「2020年9月20日の開館当初は、この周辺の建物は伝承館と双葉町産業交流センターくらいしかありませんでした。現在、復興祈念公園やホテルの整備が進められるなど、様変わりしています。7月末にカムチャツカ半島で発生した地震による津波警報が発令され、伝承館職員も避難し、臨時休館しました。震災から14年半が経過しますが、災害は、いつどこで起こるか分からないことを改めて実感したところです。来年3月であの日から15年になります。伝承館はこれからも、福島だけが経験した震災と原子力災害という複合災害の記録と記憶を収集し、未来へつないでいくことをしっかりと続けていきます」とあいさつしました。

伝承館が立地する双葉町の森隆史副町長は、40万人目の来館者となった門脇綾香さん(中学2年生)が2011年生まれだったことに触れ、「震災の年に生まれた子が、ここでどのような災害が起きたのか、特に原子力災害について知っていただくのは非常にありがたいことです。震災直前は7,140人が住んでいた双葉町は原発事故により避難を強いられ、人が住めるようになってまだ3年。現在の居住人口は192人しかいません。皆さんのように、町に来て、現地を知っていただくことが大事です。交流人口の拡大に向けて、伝承館と手を携えて歩んでいきます」と述べました。

記念品として、高村館長が当館の防災グッズやガイドブックなど、森副町長が双葉ダルマや町内に進出している企業である浅野撚糸と双葉町が共同開発したタオルセット、フレックスジャパンのオーダーシャツチケットを贈りました。

綾香さんの父、門脇裕樹さんは「40万人と聞いて驚いています。娘の生まれた2011年、あの年に何があったのか見せたい、何かを感じ取ってほしいと思い、来館しました。考えるきっかけになればうれしいです」と話され、母、陽子さんは「いつかは自分たちの目でみたかったんです」と頷いていました。セレモニーの前に津波の映像など、一部の展示を見た娘の綾香さんからは「避難が遅いと油断して亡くなってしまう。すぐに逃げられるように、日ごろから逃げられる態勢をつくっておくのが大事なんだと感じました」と話されていました。

東日本大震災・原子力災害伝承館は福島県双葉町の沿岸部にある福島県立の施設で、2020年9月20日に開館しました。福島で起きた地震、津波、東京電力福島第一原発事故という未曽有(みぞう)の複合災害の実態や、復興に向けた歩みを展示するとともに、被災した住民による語り部講話を1日4回実施しています。

展示見学に加え、研修プログラムや調査・研究事業を通じ、防災・減災に向けた教訓を国内外へ発信し、未来へつないでいます。


※本稿は長崎大学と福島県の包括連携協定(福島県及び長崎大学相互間での情報発信)に基づき掲載しています。