2025年09月01日
2025年8月26日(火) 、長崎大学、島根大学、大阪公立大学の連携プロジェクトが、「医学系研究支援プログラム」に採択されました。「医学系研究支援プログラム」は、日本医療研究開発機構(AMED)に設置された革新的研究開発推進基金事業で、国家戦略上の課題の解決に資する医学系研究活動と、大学病院や医学部の研究環境改善を図る取り組みを一体的に推進することで医学系研究力の向上を図るユニークなプログラムです。
今回採択された長崎大学を代表機関とするプロジェクトは「免疫ダイナミクス解析コホート・AIを駆使して難治性疾患に挑むPhysician Scientist育成と研究力向上計画」という研究課題を掲げています。感染症、自己免疫疾患、腫瘍といった難治性疾患群は、慢性炎症、免疫記憶の調整不全、免疫寛容の破綻といった共通のメカニズムを持つことが明らかになってきており、このプロジェクトではそのメカニズムを解明し、個別化医療や創薬開発につなげること、さらにはアジア・アフリカ・欧州などの拠点との国際連携を通じた世界的な健康課題の解決への貢献を目指しています。 また、そのプロセスにおいて次世代Physician Scientistの育成や、子育てを含む多様なライフスタイルを持つ研究者が最大限、力を発揮できる支援体制の構築にも挑戦します。
なお、このプロジェクトは、強みのある分野の臨床研究等においてネットワークを活用して多くのデータや知見を共有し優れた成果の創出を目指す「特色型」に分類されるプロジェクトで、今後3年間で総額13億8千万円の資金が提供されます。
長崎大学は感染症研究に強く、アジアやアフリカに拠点を持つほか、大学病院は臨床研究中核病院として自己免疫疾患や炎症性疾患に力点を置いた研究に強みを持ちます。また島根大学は、新興感染症ワクチン・治療用抗体研究センター(CVTAID)を開設し、自己免疫疾患・炎症性疾患の創薬研究に多くの実績と経験を持ちます。さらに大阪公立大学は、大阪国際感染症研究センター(OIRCID)を有し、感染症教育に力点を置くほか、アジアやアフリカでの研究実績が豊富です。
これら3大学がそれぞれの強みを連携させ、難治性疾患の解明と新規治療戦略の創出を目指すPhysician Scientist 育成・中核拠点となり、このプロジェクトを推進します。
<参考>
今回の採択にあたり各大学の研究責任者からのコメントを紹介します。
▶代表機関:長崎大学
代表者 :
大学院医歯薬学総合研究科長 教授 川上純
コメント:
本採択を契機に、難治性疾患の共通免疫メカニズムを精緻に解明し、個別化医療や創薬開発へとつなげます。国際的研究拠点との連携を強化しつつ、多様な人材が活躍できる環境を整備し、次世代Physician Scientistの育成に尽力してまいります。
長崎大学 大学院 医歯薬学総合研究科 https://www.mdp.nagasaki-u.ac.jp/
▶連携機関:島根大学
代表者:
学長特別補佐(医学研究担当)
研究・学術情報本部 新興感染症ワクチン・治療用抗体研究開発センター 特任教授 浦野健
コメント:
長崎大学を中心に、大阪公立大学との連携のもと、3大学の強みを最大限に活かし、総力を結集して医学研究を加速いたします。その成果を世界に発信し続ける挑戦的な医学系研究プロジェクトとして展開してまいります。
島根大学 新興感染症ワクチン・治療用抗体研究開発センター https://cvtaid-shimane-u.jp
▶連携機関:大阪公立大学
代表者:
医学研究科 教授 橋本求
コメント:
本採択を機に、三大学および国際研究拠点との連携を深め、実臨床のUnmet Needsを熟知した臨床医が研究に携われる環境を整備し、治療を必要とする難治性疾患の患者さんに新規の治療を届けられるように貢献してまいります。
大阪公立大学 大学院 医学研究科 https://www.omu.ac.jp/med/
プレスリリースURL:
https://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/guidance/kouhou/press/pdf/1206file1_20250901111514.pdf