HOME > NEWS > 詳細

News

ここから本文です。

平成19年度長崎大学海外短期語学(英語)研修に参加して 研究国際部学術国際課 松尾 真

平成19年度長崎大学海外短期語学(英語)研修に参加して

研究国際部学術国際課学術国際班   松尾 真

平成20年2月23日から3月16日までのおよそ3週間,平成19年度長崎大学海外短期語学(英語)研修に参加しました。本研修は,海外の教育研究施設との学術交流,外国人研究者・留学生の受け入れ等を促進していくとともに,その環境の整備に努める上で,事務職員を対象として海外における語学研修を実施し職員の資質向上を図ることにより,本学の国際関係業務の円滑な運用を図ることを目的に実施されたものです。
研修は,西オーストラリアのパースにキャンパスをもつエディスコーワン大学付属インターナショナルイングリッシュセンターにおいて,本学学生を対象に実施されている海外短期語学留学プログラムに参加して,学生と同じカリキュラムを受講する内容となっていました。プログラムは,英語の授業と異文化理解のための課外活動(見学旅行)が組まれ,期間中はパースの一般家庭にホームステイをすることになっており,私も学生と同じようにホームステイをしました。
英語の授業は,本学からの参加者23名を2クラスに分けて,火曜日から金曜日の9時から16時までで行われました。クラスは本学学生達だけの日本人のクラスでしたが,当然ながら授業は英語だけで行われ,私たち学生も授業中は英語だけしか使用できないルールとなっておりました。本学のプログラムは男性のCraig先生と女性のNatalie先生が担当で,私はNatalie先生のクラスの授業を受けました。Natalie先生の授業は,普段から世界各国の留学生に英語を教えている経験豊富な先生らしく,ユーモアを交えながら学生達のやる気を上手に引き出させるわかり易く楽しい授業であったと思います。学生に対してはとてもゆっくりとわかりやすい平易な言葉を使って話をされていたのでしょうが,外国人の方ときちんと話をした経験のない私にとっては,3週間もの間ネイティブの先生の英語を聞く機会を得て,何とかその話の内容を理解することができたということだけでもとても良い経験でした。 キャンパス内のカフェ 学生達の憩いの場
キャンパス内のカフェ
学生達の憩いの場です
授業では,オーストラリアに関する題材が多く取り上げられていました。例えば,オーストラリア先住民アボリジニーに対してオーストラリア政府が行った政策,また近頃行われた大統領のその政策に対する謝罪の演説に関して,学生同士での意見交換,ホストファミリーの意見を聞いてくる宿題,この問題を題材にした映画の鑑賞といったものがありました。その他にも,多くの留学生を受け入れている大学らしく,マルチカルチャリズムに関する内容などが題材になっていました。その留学生との交流授業も3回実施されました。留学生との交流授業は,留学生と日本人学生とがペアになり,自己紹介と事前に決めていた質問事項をきっかけに英語で会話を行うという内容でした。
普段が日本人だけのクラスでしたので,本当に英語だけしか通じないという環境になる交流事業は良い経験でした。私が会話をしたのは,インドネシア,タイ,ウクライナ,ベトナム,中国,韓国出身の英語の勉強をしている留学生でしたが,皆積極的に話をしようとする姿勢に好感が持てました。英語以外の母国語を持つ彼らは,自らの意志でオーストラリアに来ている積極的な学生達で,とにかく英語で話をすることによって英語力の上達を目指しているように感じました。中にはちゃんとあっているのかどうか分からない英語を交えての話もありましたが,それはお互い様なのでいい意味で私も話がし易かったです。交流授業は短い時間でしたが,彼らとは同じキャンパスでしたので,昼休みの時間など出会ったときに簡単な挨拶を交わす機会もできて良かったと思います。
この留学生との交流授業とは別に,キャンパスを移動してエディスコーワン大学の日本語を専攻している学生との交流授業も2回実施されました。こちらは日本語で行う授業と英語で行う授業が1回ずつあり,互いの学生数人ずつのグループを作って,与えられたテーマについて意見交換及びリサーチを行う内容でした。こちらの学生は,留学生とは違って流暢な英語を使うことができ,私達の英語力を気遣いながら話してくれているようでした。もっとも日本語で行う授業の時は,立場が逆転して私達がゆっくりとした日本語で話をするという状況でした。大学の本科生との交流は,留学生とは違って実際の現地の学生達の学生生活などの話を聞くことができ,本学の学生にとっても良い機会ではなかったかと思います。彼らは日本語を学んでいる学生達でしたので,日本への関心も高く,学生同士の会話も弾んでいたように感じました。
就職して25年以上が経っており3週間もの間授業を受けるということ自体が久しぶりの私にとっては,英語だけの授業でしかも周りが自分の半分以下の年齢だけの学生(8割が女子学生)という状況は,やはり大変であったと思います。授業では,何かとペアを組んで行うことが多く,スピーキング力のテストでもあったプレゼンテーションも二人で構成等を考えて行うというものでした。私とペアになった学生には遣り辛かっただろうと申し訳なく思いますが,学生と一緒に授業を受けたことは英語の習得だけではない貴重な経験だったと思っています。
英語の授業のない月曜日は,課外活動としてパース市内,スワンバレイ,ロットネス島見学のバスツアーが組まれていました。コアラやカンガルーなどの動物と触れあったり,スパゴル
フやビーチでの海水浴を楽しんだりするオーストラリアの自然を感じさせる内容のツアーでした。また,土曜日と日曜日は休日で,各自で過ごすことになっていましたが,そのうちの一つ
の日曜日に数人の学生と一緒に現地のバスツアーを利用してピナクルスに行ってきました。ピナクルスは,原生林が枯れた後に,大地が風化されてできあがった柱状の奇岩が無数に立ち並ぶ砂漠地で,これまで見たことのない異様で壮大な風景を作り出していました。このツアーでは,ピナクルスに行くまでの間もオーストラリアの自然とその広大さを感じることができました。パース市内からピナクルスまでは,かなりの距離を移動しないといけないのですが,どこまで続くのだろうという平原の中の真っ直ぐな道路を時速百キロ以上のスピードで突っ走るバスに乗るという長崎では絶対にあり得ない体験もしてきました。
パースシティの高層ビル群
パースシティの高層ビル群
研修期間中は,休日も含めて全ての期間をホームステイで過ごしました。私がお世話になったホストファミリーは,2年半ほど前にイギリスからオーストラリアに来られたご夫婦で,私の他にもう一人サウジアラビアからの留学生を受け入れておられました。ホームステイ先では,毎日大学から帰ってきたときにその日の出来事の話をするようにしていました。また,大学からはホストファミリーから話を聞いてくる内容の宿題が何度も出されていましたので,その宿題の話題をするとともに,あわせて他の解らない英語を教えてもらったりもしました。ホームステイ先では,テレビも一緒に見るなど極力ホストファミリーと過ごすようにしていました。その甲斐あって,日本では見ることのないクリケットの試合を何度も見る機会があり,ホストファミリーに説明をしてもらってルールを覚えることができました。ホストファミリーには私の拙い英語を親身に聞いていただき,また,ゆっくりと丁寧に話をしていただきとても感謝しています。
パースではとても水が大切で,研修前のオリエンテーションでもシャワーの時間を5分以内にするよう何度も注意を受けていました。事実研修期間中に少し雨が降ったのですが,それが今年に入って初めての雨ということで,それまでの3か月の期間雨が降っていないとのことでした。私も注意どおりの5分間シャワーや,週1回のまとめ洗い洗濯を実践しました。
パースシティの高層ビル群心配していた食事も苦にならずに快適なホームステイ生活だったと思います。週末にはサウジアラビアの留学生とともに水族館のあるビーチにも案内していただくなど,3週間とてもお世話になり感謝しています。ホームステイ生活は,この研修では授業以上に英語の実体験の場であったと思いますので,良いホストファミリーに恵まれて良かったと思っています。
本研修の期間滞在したパース市は日中の気温こそ40度近くなりましたが,朝晩は涼しく過ごしやすい気候でした。町全体が明るく広々と開放的な感じがする安全な町で,研修場所としてはとても良い環境の町であったと思います。今回の研修では,英語の授業だけでなく,ホストファミリーやその友人,本プログラム企画担当スタッフ,バスの運転手や店員とのやりとりも全て英語で行う,実際に外国で生活するという貴重な経験をさせていただきました。この研修で英語力がいきなり上達したとは思っておりませんが,今回の経験を生かして今後も英語の学習を継続したいと思っています。
最後に,この貴重な経験の機会を与えてくださいました関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。