2025年12月03日
長崎大学は2025年11月25日(火)から27日(木)まで、ケニア・ナイロビのケニヤッタ国立病院(KNH)において、肺がん診断に不可欠な超音波気管支鏡(EBUS)の研修を実施しました。本研修は、長崎大学が国立健康危機管理研究機構から受託した「医療技術等国際展開推進事業」の一環として行われ、長崎大学病院から講師として医師5名、看護師1名、臨床工学技師2名が参加し、ケニアの医療従事者に対し集中的なトレーニングを提供しました。
初日は開会セレモニーが行われ、Dr. Ouma Olugaケニア保健副大臣、松浦博司在ケニア日本大使館大使、Richard Lesiyampeケニヤッタ国立病院CEOが挨拶し、長崎大学学長からの祝辞を松本桂太郎教授が伝えました。
研修プログラムは、気管支内超音波(EBUS-TBNA、EBUS-GS)手技、内視鏡看護ケア、機器の保守・トラブルシューティングを柱とし、将来的にケニア人医療従事者が自立して研修を実施できる体制構築を目指す「トレーナー養成型研修(ToT)」として構成されており、初日は基礎講義とモデルを用いたデモンストレーションに始まり、2日目には実技演習とライブ症例を実施。最終日には教育資料の作成や評価を行い、修了証が授与されました。本研修により、KNHの医師がEBUSを用いた症例を実施し、看護師・技師が標準手順を確立することが期待されています。
ケニアでは肺がん診断体制の強化が課題でしたが、本事業によりKNHが国内研修の拠点となり、将来的には東アフリカ地域への波及も期待されています。今年9月には、KNHから派遣された研修生5名が長崎大学で3週間の集中研修を修了しました。今後も長崎大学は、研修用の気管支鏡及びシミュレーションモデルを提供し、持続可能な教育体制の構築を支援していきます。
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セレモニー集合写真 |
長崎大学病院スタッフによる手技指導の様子 |
研修の様子 |
