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国際健康開発研究科長に就任して 国際健康開発研究科長 青木克己

国際健康開発研究科長に就任して

国際健康開発研究科長 青木克己 国際健康開発研究科長
青木克己

平成20年度に長崎大学大学院に新しく設置された国際健康開発研究科の研究科長を拝命しました。
この研究科のミッションは“地球規模でおこっている憂慮すべき健康問題に対処できる高度な知識と技術を有す実務的な人材を養成すること”です。このミッションを達成するために,研究科長としてなすべきことをまだ十分理解していませんが,長年,開発途上国で熱帯病の調査研究を行ってきた経験を生かして,新しい研究科の創設に貢献したいと思います。
近年,グローバル化が進み,種々の問題が益々深刻になりつつあります。その代表例の一つが保健医療の格差の拡大です。このような地球規模の問題の解決に,大学は研究・人材育成をとおして,貢献すべきことはいうまでもありません。
国際健康開発研究科は,まさに,上記のような時代の要請に沿って設置された斬新な教育形態をもつ研究科です。地球規模の保健医療問題の解決のためには分野横断的・学際的研究戦略が必要ですので,国際保健,熱帯医学,社会学,文化人類学,開発学などの多様な学問を有機的に統合した教育を行わなければなりません。本研究科は,長崎大学に国際保健医療に関連する高度な専門性を有す多くの教員が奉職していることに注目し,国際連携研究戦略本部,熱帯医学研究所,医歯薬学総合研究科,原爆後障害医療研究施設,経済学部,環境科学部などの人材を活用して創設した研究科です。従来の研究科と異なり基礎となる学部を持たない独立した学際的な研究科です。教員の多くは開発途上国での豊富な調査研究経験を有していますので,実務者養成を目的とするこの研究科では必要不可欠な,臨場感あふれる講義,実習,演習により,優れた人材が育つことが大いに期待されます。
近年,保健医療分野における国際協力に対する若者の関心は益々高まりつつありますが,欧米に比べて,日本には国際保健の専門家育成のための高等教育機関は数もわずかで教育内容も十分とはいえません。本研究科は先に述べた理由で,長崎大学の全学部と事務局の支援が必要不可欠です。本研究科が国際保健の優れた教育機関として,国内外で認知されるよう,研究科の教職員一同努力しますので,皆様のご支援をお願い申しあげます。