2025年12月26日
2025年12月17日(水)、文教スカイホールにおいて、外務省主催、長崎大学共催によるイベント「学生と語る」が開催され、学内外から150名を超す多くの大学生・大学院生が参加しました。
冒頭では、本学医学部の卒業生である国光あやの外務副大臣よりビデオメッセージが寄せられました。ビデオメッセージは永安学長との対談形式で収録され、本イベントが長崎で開催される意義や、本学が国際舞台への挑戦として取り組む「プラネタリーヘルス」について紹介されました。また、唯一の戦争被爆国である日本、そして被爆地・長崎から国際社会へ発信することの重要性や、日本を取り巻く国際情勢について、次世代を担う学生への期待が語られました。
これに続き、永安学長が共催者を代表して挨拶し、被爆80年という節目の年に、「『核兵器のない世界』に向けた日本外交の取組」をテーマとした貴重な対話の場が本学で開催されることの意義に触れるとともに、国際社会が直面する課題を自らの問題として考えることの重要性について述べました。
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基調講演では、外務省軍備管理軍縮課長の石川氏が、「『核兵器のない世界』に向けた日本外交の取組~次世代と共に拓く未来~」をテーマに登壇されました。講演では、中国や北朝鮮の核・ミサイル問題をはじめとする、日本を取り巻く厳しい安全保障環境について説明がなされるとともに、米国の核抑止力の傘の下にある日本の立場の難しさや、核軍縮をめぐる国際社会の現状と課題が示されました。そのような様々な制約の中での日本の核軍縮政策について説明がなされました。また、日本被団協のノーベル平和賞受賞に寄せられる期待や、核兵器禁止条約に核兵器国が参加していない現状についても言及があり、参加者は熱心に耳を傾けていました。
講演後の質疑応答では、会場の学生から次々と質問が寄せられ、核軍縮や日本外交の課題について活発な意見交換が行われました。質問は途切れることなく、予定された時間いっぱいまで続き、オンライン参加者からの質問にも対応するなど、学生の関心の高さがうかがえる場面となりました。
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後半の分科会では、学生を中心としたグループディスカッションが行われ、外交や国際情勢をテーマに活発な意見交換がなされました。外務省職員らは、各グループを巡回しながら、議論の進行に応じて助言を行いました。最後には、各グループから発表が行われ、外務省職員より講評が述べられました。参加した学生にとって、外交政策や国際情勢をより身近に感じ、将来について考える貴重な機会となりました。
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なお、本イベントは多文化社会学部の西田教授が担当する講義「平和・外交・安全保障入門」、「大使館連続講義」の一環として企画され、履修生のほか、学内外からも参加者を迎えて開催されました。今回の取り組みを通じて、学生が国際社会の課題に主体的に向き合い、次世代を担う人材として視野を広げる契機となることが期待されます。
