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生産科学研究科長に就任して 生産科学研究科長 中田英昭

生産科学研究科長に就任して

生産科学研究科長 中田 英昭 生産科学研究科長
中田 英昭

生産科学研究科は,その母体である工学・水産学・環境科学の確実な継承と発展に加えて,これら異なる学問領域を有機的に結合した学際的・統合的な分野を創成し,幅広い観点から問題解決をはかることのできる人材を,長崎からアジアや世界に輩出する拠点となることを目標に掲げています。平成20年度に予定されている法人評価から次期の中期目標・計画の策定に連なる重要な時期を迎え,新しい時代の要請に応えていくためには,研究科本来の理念である多分野融合のメリットを最大限に発揮できるように研究科の研究教育システム(とくに博士後期課程)を変革していくことが必要です。
多分野の融合が単なる寄せ集めにならないためには,具体的な目標を研究科の構成員が共有することが非常に重要です。研究科の持てる力を結集して取り組むべき共通の課題,共通の目標は何か,そしてその目標達成のために現在の分散化しすぎた組織・体制をどのように再編すべきか,議論をさらに深めながら,分野横断型の共同研究や新領域の創出に取り組みやすい環境を整えていきたいと考えています。
現在,学長を中心に長崎大学の次期に向けての統合的なビジョンとして検討が進められている「地球と人間の健康を守ること」は,他の部局とも連携しながら生産科学研究科がその技術基盤づくりに貢献すべき大変重要で興味深い課題であるように思います。
これから研究科に求められることは大局的には次の二つと考えています。一つは,アジア地域とくに日中韓の連携のもとで,国際的な視野を持つ人材を養成するグローバル志向の研究教育による「国際競争力の強化」,もう一つは,地域の産業界,自治体,他大学等とも連携し人材養成や技術革新の面で地域の発展に貢献する「地域ニーズへの対応」です。長崎大学の強みや個性を十分に生かしながら,研究科が国際連携・地域連携の中核拠点として機能できるように組織・体制を整えていく必要があります。
懸案の一つとなっている博士後期課程の学生定員充足のためにも,上記の二つの方向を意識しながら,教員組織や学生定員,カリキュラム,学生・教員の支援体制その他を見直し,大学院の研究教育活動を学生にとって魅力あるものにしていくために尽力したいと思います。たとえば,国際連携では,国際水準を満たす体系的な学修課題の設定,短期留学を含むアジア地域等との学生の研究交流支援,国際的な単位互換や学位認定,留学生特別枠獲得のための制度整備,地域連携では,地域ニーズ等に対応した柔軟な研究組織の編成,研究活動等の地域への発信・広報体制の強化等に関する検討を進め
ていきます。
研究科の改組については,現在ワーキンググループによる検討が進められているところですが,上記の諸課題に対応できる組織像を具体化し,従来から議論されている6年一貫の高度職業人養成,9年一貫の専門研究者養成の枠組みを発展させる形で,できるだけ早く研究科としての成案をとりまとめていきたいと考えています。
学内の皆様のご協力,ご支援をよろしくお願いします。