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環境科学部長に就任して 環境科学部長 武政剛弘

環境科学部長に就任して

環境科学部長 武政 剛弘 環境科学部長
武政 剛弘

21世紀は環境の世紀と言われすでに8年が経過しました。世界では2008年から京都議定書による地球温暖化防止のためのCO2 削減の実行プランが施行されますが,依然として地球を取り巻く環境は深刻な状況にあります。私は,環境問題の解決には,新しい技術の開発と共に,それを活かすための政策の提案・実行が不可欠だと考えます。内閣総理大臣を議長とする総合科学技術会議は,「科学技術の戦略的重点化」の中で,政策課題対応型研究開発の重点推進4分野の一つに環境を掲げ,「アジアを始めとする世界の若者が我が国で環境技術や環境政策を学び,帰国して母国の環境調和型経済
と持続可能性社会の実現に貢献し,世界で活躍できるよう,世界の環境リーダーの育成を行い,科学技術外交の強化を図る」をひとつの柱としています。このことはまさに環境科学部の教育に求められているものであり,こういった背景を十分に活かすことが環境科学部の教育研究の充実,発展への近道であると考えています。
文部科学省の研究課題として,高等教育における環境教育の充実があげられているのを受けて,昨年環境教育の推進を図る環境教育研究マネジメントセンター(ERMAC)を学部独自で開設しました。
そこでは行政と市民の協働で雲仙地区に環境教育研究のフィールドを築いていく雲仙Eキャンレッジ構想を始動しています。これにより,今まで以上に地域と連携した教育研究活動が可能になるものと期待しています。今後はその内容の充実に組織をあげて取り組んでいかなければなりません。
修士・博士課程の教育においては,日本はもちろんアジア地区の環境問題の解決にむけて,自国で指導的立場に立つことのできる人材の輩出を目的とした,環境政策を中心とした教育プロジェクトの立ち上げを進めています。
さらに,研究に関しては,本学部の特長を活かした研究プロジェクトを立ち上げ,大型予算の獲得を目指し研究の活性化を図ることが,学部長である私に課せられた重要事項であると考えています。
将来は,その中から,新規センターの立ち上げやCOE を目指すようなプロジェクトの育成を目標としています。
これらの目標を達成するためには,学部構成員の意識の向上を促すことはもちろんですが,学内の皆様にもご協力頂かなければなりません。さらに国際的にも評価される研究・教育を実現するためには,他学部,他大学の優秀な人材,他国の研究者の方々にプロジェクトに参加協力して頂きたいと考えています。
私は法人化後,大学を取り巻く状況,学内の体制・組織等が日々刻々と変化しているのに驚かされると同時に,それへの迅速な対応が学部運営において重要であると痛感しています。これからの数年間は環境科学部の浮沈を決める重大な時期と感じています。反面,これからが学内をはじめ社会からすばらしい環境科学部と評価されるための学部発展期と捉え,本学部を充実させる環境科学部長の責務をとおして,長崎大学のさらなる発展に貢献していく所存です。学内の皆様のご協力を得て学部運営を精一杯頑張りますのでよろしくお願いします。