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熱帯医学研究所長に就任して 熱帯医学研究所長 竹内 勤

熱帯医学研究所長 竹内 勤

熱帯医学研究所長

竹内 勤

 2011年4月1日付けで、長崎大学に熱帯医学研究所長として赴任致しました。前任地は慶應義塾大学医学部です。研究分野が熱帯医学、寄生虫学なので、かなり以前から熱研の先生方とは親しくさせて頂いており、それなりに研究所の存在も知っておりました。特に現国際健康開発研究科長の青木克己先生とは同じ学会に所属していた事もあり、若いころからご交誼を頂いておりました。加えて、1996年に当時熱研内科におられた松本慶蔵先生が国際熱帯医学・マラリア会議を大会長として主宰されたおりには、財務委員長を務めさせて頂き,それを通して熱研をよりよく知るようになりました。

 熱研は、皆様もご承知の通り、全国でこの分野唯一の研究所であり、長崎大学の大きな特徴の一つとなっております。これまでにも多くの業績を生み出しておりますが、最近ではベトナム、ケニアの熱研の拠点をもベースに多彩な活動を展開し、若い研究者の有意義なトレーニングの場を提供しています。今後、わが国の科学技術外交がアフリカ諸国に向けて展開される事は、おおいに想定できるところでありますが、このケニアの熱研拠点はこのような場合にも,貢献することができると思っております。また、最近の東日本地震に伴う災害復興支援にも、長崎大学の活動の一端をにない、現場に強い長崎大学という評価を得る一助となった事も重要だと思います。

 熱研が本来の活動としている開発途上国における感染症及び関連する健康の諸問題は今後も重要な課題であり続けると思います。しかし、それ以外にもグローバリゼーションに由来する社会、政治、経済の急速な変化に起因する種々の健康問題にも対応を迫られて行く事は間違いないと考えています。例えば、上記の災害医療や、気候変動の感染症への影響の調査、危機管理への対応など、どれをとっても今後わが国の、あるいは世界の重要な課題となると思っております。その中で熱研は碓固たる位置を占め、変化に的確に対応して行く責務があります。そのためには、研究/教育はじめ、熱研の種々の機能の向上、学内諸機関、特に医学部、病院、原研などとの密接な連携体制の構築など、熱意を持って取り組まなければなりません。学内の皆様のより一層のご理解とご協力をお願いする所以です。