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原爆犠牲者慰霊祭を挙行

 8月9日,原爆犠牲者慰霊祭が医学部記念講堂において,御遺族,学長,医学部長,教職員ら約300人の出席のもと開催されました。この慰霊祭は,原爆死没教職員・学生,898人の御霊を慰めるために毎年実施され,今年は被爆66年目にあたります。

 はじめに松山俊文医学部長から式辞があり,東日本大震災による福島第1原発の事故に触れ,「原子力は従順なものではなく,ひとたび暴れだすと手がつけられない,人間の手に余るものではないかとの思いが私たちの胸に芽生えたと同時に,その意味では核兵器と原発が同じテーブルの上で論じられる時代が来たと言える」との考えが示され,終わりに「私たちが進むべき道,新しい世界が66年前の被爆者の方々の無念の思いを広く世界へ伝え続けることによって生まれることを望み,すべての被爆者の御霊のご冥福をお祈りする。」との挨拶の後,原爆投下時刻の午前11時2分に合わせて,参列者全員による黙祷が捧げられました。

 つづいて,原爆投下当時,長崎医科大学に在学中であった元長崎大学学長である土山秀夫氏から,当時の惨状を追想するお話をいただいた後,片峰学長ほか大学関係者,御遺族ら参列者全員による献花が行われました。
 その後,前長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長で,今年7月15日付けで福島県立医科大学副学長に就任した山下俊一教授から講話があり,「長年,長崎大学において国際ヒバクシャ医療活動に尽力してきた成果を,今福島において生かしてこそ,原発事故による困難を乗り越えることができる。」との復興支援活動に携わる思いが披瀝されました。
 引き続き,来賓を代表して福島県立医科大学の菊地臣一学長から挨拶があり,最後に遺族を代表して山根良美氏からのご挨拶をもって閉式となりました。

 なお,慰霊祭終了後,医学部福利厚生棟において,学徒遺族会,教職員遺族会及び看護師遺族会合同の追悼懇談会が行われました。

式辞を述べる松山医学部長
式辞を述べる松山医学部長
被爆時の惨状を語られる土山元学長
被爆時の惨状を語られる土山元学長
厳粛な雰囲気の慰霊祭会場
厳粛な雰囲気の慰霊祭会場
講和をする山下福島県立医科大学副学長
講和をする山下福島県立医科大学副学長
(前長崎大学医歯薬学総合研究科長)
ご遺族を代表して挨拶される山根氏
ご遺族を代表して挨拶される山根氏