長崎街道の玄関口に位置し、諏訪神社のお膝元にあたる新大工町は、古くから市民の台所として発展してきました。時と共に人の流れは変わりましたが、2022年には新たな複合型施設ができるなど、今も進化を続けています。同町でまちづくり活動を行っている井上さんにお話を伺いました。「日本中どこでも商店街の魅力は、地域と人とが交流できることでしょう。私はその魅力を高めるために、顔が見える関係づくりにこだわっています。商店街イベントでは毎年、店もお客さんも一緒に感動できる催しを企画しています。周辺の中学生と地域の清掃活動を行ったり、長崎大学生とコラボしてサークル活動を披露してもらったこともあります。まちづくりの醍醐味は、そんな人と人との出会いや交流で生まれる感動だと思います。長崎大学の皆さんもぜひ、まちづくりの面白さを味わってください」。
1571年の開港以来、鎖国時代も海外へ港を開いていた長崎は、独自の文化・和華蘭文化が花開いた稀有な場所です。そのユニークな文化がどこからもたらされ、どう発展して、今に根付いているのか。そんな長崎の成り立ちを見ることができるのが長崎歴史文化博物館です。例えば、江戸時代の出島でどんな物品交換が行われていたのか。例えば、現存する最古のアーチ型石橋・眼鏡橋はどんな構造なのか。そんな、好奇心をくすぐられる展示がいっぱいです。また、同館がある立山は江戸時代に長崎奉行所があった場所。当時あったそのままの場所に復元されたお白州や対面所などを見ることができるのも魅力です。
新大工商店街から一歩、住宅街に入ると、突如現れる昭和6年築の古民家。こちら、知る人ぞ知る人気のカフェなんです。建物は、元々工務店を営んでいたオーナーの岩本さんが現代の生活様式に合わせてリノベーション。インテリアも大正レトロな雰囲気が漂う家具や小物が配されていて、心落ち着く空間です。お料理ではお好み焼きがメインニュー。チーズがたっぷり入ったフワとろ食感の生地に、長崎人が好む甘めの自家製ソースとの相性が抜群です。また、もう一つの人気メニューは牛スジカレー。じっくり煮込まれた柔らか牛すじと優しい味わいのルーで身も心もほっこりしました。