挑戦から可能性を広げて
想像以上の4年間でした

工学部工学科社会環境デザイン工学コース 卒業生 Interview

中川 恵介 さん

長崎大学での4年間、どうでしたか?

長崎大学に入学したときに「4年間で強みを作ろう」と心に決めました。社会に出てから役立つ強みを学業以外に身につけたいと考えたのです。僕が所属する工学部は全国的に多い学部です。自分自身の価値を高めるためには他と違うスキルが必要だと思いました。入学直後は、何を強みにできるのか、身につけるために何をすればいいかを明確に認識できていたわけではありません。そこで、やってみたいと思うことに挑戦するようにしました。そして色々な経験値を蓄えることができました。

長崎大学工学部にて

卒業論文の執筆風景

     

具体的にどんな活動に参加したのですか?

1年生の頃、長崎大学生協主催の講座「Grow Up講座」を企画する学生団体に所属しました。新型コロナウイルスの流行で行動制限が厳しい時期でしたが、活動の場を求めている向上心が高い学生が集まっていました。アイディアを出しあって講座を1から作り上げる過程で、意見の出し方、考え方のまとめ方などへの意識が磨かれました。2〜3年生では野菜作りで地域貢献する学生団体「農楽部」に所属しました。野菜栽培も楽しかったですが、印象に残っているのは新入生勧誘活動です。体験会では野菜に関する謎解きゲームや種まきなど新入生が楽しめる催しを考案しました。その甲斐あって20人以上参加者が来ました。また、団体PR動画も作って発信しました。

団体PR動画は学内コンテストで最優秀賞を受賞しました

サムネイルはパワーポイントで制作しました。動画が掲載されているMOVIE『サークル&部活紹介』のページへは上記サムネイルをクリック

     

今年度は学生広報スタッフ(※1)として大活躍でしたね。

3年間でユニークな活動をしている学生団体や学生に出会いました。しかし、団体がたくさんあるけれど、お互いの存在を知る機会は少ないと感じていました。そんな学生や活動を学内外に紹介したい、また団体と団体を結びつけることができれば面白い、と思ったのが学生広報スタッフに参加したきっかけです。最初に手かけた記事は僕が所属している「工学部工学科社会環境デザイン工学コース」についてでした(掲載記事はこちら)。自分自身が高校生の頃、学びのイメージがおぼろげだったことを思い出して、同コースの学生がどんな研究をしているのか、どんな将来を目指しているのかを高校生に向けて伝えたいと思いました。

インタビューした社会環境デザイン工学コースの同級生と

     

自身の体験から生まれた企画だったんですね。他にはどんな記事を書いたのですか?

いくつかの学生団体の代表を取材したほか、前学長の河野茂先生にインタビューをしました。河野先生はコロナ禍に学生に向けてアグレッシブなメールを送り続けてくださったので、直にお話を聞きたいと思っていました。お会いして本当に熱いお人柄だと分かりました(掲載記事はこちら)

また、グループ活動では長崎くんちやキャンパス周辺の紹介記事、学祭の動画制作などに関わりました。長崎は生活エリアの中に歴史的な遺産があり、お祭りや風景からも国際性を感じるので面白い地域だと思います。             

学生団体に参加するメリットは個人では実現が難しい試みを可能にできることだと思います。広報学生スタッフに所属していたことで学長にインタビューする機会を持てたし、様々な場所に行くことができました。

  

河野先生にインタビューしている様子

長崎原爆資料館を取材している様子

     

現在は卒業論文に全力を注いでいますね。どんなテーマですか?

『兵庫県加古川を対象にした田んぼダムの評価』の題で制作をしています。加古川は流域面積1730kmの一級河川で山地や農地が多いエリアです。その加古川流域を対象エリアとして、洪水時に雨水を貯留できる田んぼダムの効果の大きさを算出します。データを算出するためにはシミュレーションモデルが必要なのですが、既存のテンプレートに僕の研究に合致するモデルがなかったので、Fortranというプログラミング言語を勉強して自分なりに機能を追加しました。プログラミングは、大学の講義以外でも趣味で勉強していたのですが、その時に使っていたプログラミング言語はPythonだったので、Fortranはゼロからの勉強でした。

参考文献。英語で書かれた論文も参考にしています

パソコンでの作業が多いが、メモが取りやすいノートも必須アイテム

    

「挑戦を続けた4年間」だったようですね

ここまで話した以外にも簿記の資格を取得したり、ランドスケープ学副専攻プログラム(詳細はこちら)を受講したりして、専門分野以外の技術を身につけたり、視野を広げることができたと思います。             

ただ、それらの手応えとは別に「興味があることはとりあえずやってみよう。たとえゴールがなくても」とも思うようにもなりました。資格や明確な成果物が目的ではなく、単純に「面白そう」「この人に会ってみたい」など直感で動くことで、思いがけない結果や出会いに繋がったからです。そのおかげで想像以上の4年間を過ごせました。行動することでチャンスを掴むことができた経験は大きかったし、高校生の頃に縛られた学歴以外のものさしに気がつきました。社会に出てからも人間の幅を広げられるように挑戦を続けていきます。

貴重なお話、ありがとうございました。

ーなかがわ けいすけー
2001年、兵庫県生まれ。淳心学院高等学校出身。道路や橋、ライフライン施設など社会基盤施設の維持管理に興味があり長崎大学工学部工学科社会環境デザイン工学コース(コースサイトはこちら)に進学。2年次に長崎発グローカル人材育成プログラムが主催する「プレゼン大会」で発表したほか、学生団体「農楽部」では副代表を務めながら、テコンドー部にも所属していた。4年次には発足したばかりの学生広報スタッフ【Cho査隊】NKスターズに加わり取材リーダーとして団体の創成期を支えたほか、1年間で約20件の記事と動画を発表した。卒業後は東京都に就職が決まっている。

卒業生 advice

「面白そう」と思ったことはトライしてみてください。期待以上の出来事が起こるかもしれません!

学生広報スタッフ【Cho査隊】NKスターズのWebサイトはこちらへ

(※1)長崎大学の広報活動をする大学公認の学生団体。正式名称は長崎大学学生広報スタッフ【Cho査隊】NKスターズ。