教育学部の豊富な実習経験から
自分にぴったりの道を選ぶことができた!

教育学部 学生 Interview

幼児教育コース4年
立花 祐依 さん

高校時代から念願だった幼児教育。春から保育士に

長崎大学教育学部を志望した理由を教えてください。

高校時代から「幼児教育の道に進みたい」という思いは決まっていたのですが、当時は幼稚園と保育所の違いはもちろん、どちらに進みたいのかもハッキリしていませんでした。そんな中で、長崎大学に進学した理由は「九州の国立大学で唯一、幼稚園教諭一種免許に加え保育士の資格が同時に取得できる大学」だから。認定こども園の増加も踏まえ、いずれ必要になる可能性が高い保育士の資格だから、効率的に取得したいと考えました。当時の判断は正しかったと思います。春からは福岡の公立保育所に勤務する予定です。

文部科学省管轄の幼稚園、厚生労働省管轄の保育所。どんな点に魅力を感じて保育所を選んだのですか?

保育所を選んだ一番の理由は、一人ひとりの子どもの成長に、より長く寄り添うことができるからです。幼稚園の対象年齢は満3歳から小学校就学前まで。一方、保育所は0歳児~小学校就学前までの成長にかかわることができます。長崎大学は実習の機会が豊富なのですが、多くの教育現場を経験できたお陰で、自分自身がどんな幼児教育に携わりたいのかについても深く考えることができたと思います。

一緒に幼稚園実習を受けたメンバーと(前列左)。

長崎大学の実習について

実習の機会が豊富だったということですが、どんな経験ができましたか?

実習機会が多いと、準備やレポートなどとても大変なのですが、実習でしか味わえないことは多いので、いずれも必要不可欠な経験だったと今は思います。

私は、保育所2カ所、幼稚園1カ所で実習しました。保育所では公立と私立で実習を受け入れてもらいました。保育所ごとに「わらべ歌を教育に取り入れている」「屋外での遊びを重んじている」などの特色があり、見る目を養うことができました。幼稚園はグループ実習でした。同級生と協力して指導法を考えることができましたし、子どもへの接し方、言葉のかけ方がそれぞれ違うので、お互いを高め合うことができたと思います。

他にも小学校での実習や、中学校での参加観察実習も体験して、就学以降の成長を見学できたことは貴重な経験だったと思います。

座学での学びを実習で活かせましたか?

活かせたと思います。実習に直結する授業もあるんですよ。私の好きな授業に『子どもの表現』があります。子どもでもすぐに挑戦できるような工作を自分たちが体験するワークショップ形式の科目で、身近な材料を使った工作を学びました。例えば、紙袋にマジックで絵を描いたり、モールをつけたりして帽子を作りました。実習で子どもたちと実践して、楽しむことができたので、来年度以降の勤務先でも取り入れていきたいです。

オペレッタをしたときの衣装で記念撮影(左)。

集中講義で作った靴下の人形(左)。

就職活動について

就職活動はいつ頃始めましたか?

3年生の11月に意識するようになりました。就職指導の先生が、すでに就職が決まっている4年生とオンラインで交流する場を作ってくださったのがきっかけです。先輩方の具体的な話を聞いて一気にスイッチが入りました。それから就職先としてどんな施設があるのかを調べました。3月頃に地方公務員として勤務できる公立保育所を目指すことに決め、就職試験の方法も踏まえて、自分に合う職場を探し始めました。受験地として福岡県のA市を選んだのは都市部に近い土地柄、ファミリー世帯が多くて、子どもの教育に力を注いでいる街であると知り、そんな環境で幼児教育に携わりたいと思ったからです。

試験対策はどんなことをしましたか?

試験は4次試験までありました。1次試験はSPI試験、2〜3次試験は集団面接、そして4次試験は個人面接です。まず1カ月はSPI対策の勉強に専念しました。その後の面接対策は、おおよそのコツを先生にご指導いただいた後、自分一人で準備しました。長崎大学には学部の就職指導以外にもキャリアセンターなど面接指導をしてくださる部署があり、同級生はよく利用していましたが、私は自分のペースで進めたかったからです。

実際の面接をイメージして、自分の答えを考え、更に「こんな質問が入るだろう」と予想できることは全て答えられるように準備しました。また、市立の施設なので市政についても隅々まで調べました。特に政策の特徴は、より具体的に話せるように、自分の住む市と比較して話す練習をしました。

面接では手応えを感じられましたか?

当日は、とにかく焦ったというのが率直な感想です。集団面接で同席した受験者が強者ぞろいでした。留学など大学時代に様々な活動をしてきた人、社会経験がある第2新卒の人もいました。だけど「ここで怯んではいけない」と思い、誇張表現することなく等身大の自分を話しました。「実習経験で掴んだこと」「そこで培われた協調性」などです。募集要項に“選考は人物重視”と書いてあったので、真摯に自分の言葉で伝えたら想いは伝わると思いました。合格できて良かったです。

子育てに関する政策は各自治体のWebサイトで見ることができます(写真は長崎市のWebサイト)。

大学生活について

大学生活は残り3カ月ですね。

今は卒業論文の執筆に力を注いでいます。『子どもが生き物の命を理解するきっかけ』というテーマでアンケート調査しています。

実習で子どもたちが生き物を手に乗せて遊び、楽しく触れ合っている場面をよく見かけました。しかし、あやまって生き物が落ちてしまうこともあり、多くの子どもがいる中で踏まれてもおかしくない状況もありました。子どもたちの命の理解は、まだ十分ではなく「命の理解に何かきっかけはあるのか」と調べ始めたのです。

大学生を対象にしたアンケート調査では「生き物の死に直面して命を意識するようになった」という声が多いことが分かりました。しかも「餌を与えることを忘れていた」「触りすぎた」など、死の原因が本人にある場合はより記憶に残りやすいようです。これから考察をまとめますが、将来子どもに対して生き物の命の大切さを上手に伝えられる先生になりたいと思っています。

最後に長崎大学での4年間を振り返ってください。

楽しかったです。ここまで主に学部の話をしてきましたが、それ以外にもサークルで学園祭運営委員会に入っていたこともあり、他学部の学生の友達もたくさんできました。自分と違うことに関心がある人とも交流できることは総合大学のメリットだと思います。サークルに入らずとも、モジュール(教養教育)など、いろんな時、いろんな所で、他学部生との出会いの機会はあります。受験生の皆さんには「そんな楽しみが待っている」と期待して勉強を頑張ってほしいと思います。

受験に向けてのアドバイスをいただけますか?

私の大学受験の経験で印象的なのは、面接の準備で短所に見える特徴を、長所に変えてアピールする練習をしたことです。面接は自分の特徴や熱意を伝える場。自信がない場合は担任の先生にしっかり相談して、好意的に見える内容を考えてください。そして、それをスムーズに話せるようになるまで練習すると、本番で緊張に打ち勝てると思います。

私は大学受験の面接対策で自分としっかり向き合った経験が、就職試験の面接でも役に立ちました。

幼稚園実習の様子(長崎大学教育学部資料より)。

幼稚園実習の様子(長崎大学教育学部資料より)。

貴重なお話、ありがとうございました。

ーたちばな ゆいー
2000年、長崎県生まれ。長崎県立北高等学校出身。幼稚園時代の担任の先生に憧れて幼児教育の道を志す。高校時代から続けている特技のバイオリンを活かし、大学では芸術的感性開発に関する科目も受講。長崎大学の創楽堂や長崎県立美術館などでも披露した。その音楽の知識や技術を、今後は幼児教育の場でリトミック(音楽を通じて体を動かす教育法)として取り入れたいと話す。

卒業生 advice

他学部の人と話していると自分の中での「当たり前」が当たり前ではないということに気がつきます。長崎大学は10学部からなる総合大学。色々な人と交流して見識を深めてください。

長崎大学教育学部幼児教育コースの特徴

1. 九州の国立大学で唯一、幼稚園教諭免許以外に、保育士資格を同時取得できます。

2. 免許・資格に必要な保育・教育実習のほか、幼稚園以外の学校種における参加観察実習や、一年間の長期実習「地域開放型の子育ち・子育て支援」など、多くの実習を経験できます。

「地域開放型の子育ち・子育て支援」についてはこちらへ


3. 1年生から4年生まで合わせて約60人のコースであるため、手厚い指導、相互理解を根底においた切磋琢磨の学びが叶います。

4. 小学校教育、中学校教育、特別支援教育に関する授業もあり、視野を広げることができます。

5. 公立保育所(地方公務員として勤務)への合格率が高いです。

長崎大学教育学部のWebサイトはこちらへ

長崎大学教育学部幼児教育コースのページはこちらへ