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水産・環境科学総合研究科博士後期課程(保全生態学研究室)の村瀬偉紀さんらが執筆したリュウキュウアユの成長様式に関する論文がIchthyological Research誌に掲載されました

水産・環境科学総合研究科 博士後期課程 環境海洋資源学専攻2年(保全生態学研究室)の村瀬偉紀さんらは、奄美大島に生息する絶滅危惧種のリュウキュウアユ(Plecoglossus altivelis ryukyuensis)の親魚を対象として、耳石の日輪解析と微量元素(Sr/Ca比)分析により、海洋生活から河川生活までの生活史を通した成長様式の解明を試みてきました。一生の間に海と川を行き来する両側回遊型の生活史を有する本種において、海洋生活期間中の成長様式が、その後の成長にどのような影響を及ぼすのかという点は明らかになっていませんでした。本研究の成果から、河川遡上時の体サイズは、産卵時の体サイズに正の影響を及ぼしていることが明らかになりました。さらに、河川遡上時の体サイズには、海洋生活期間中の成長速度が正の影響を及ぼしていました。これらのことから、海洋生活期間中の成長が、河川遡上以降の成長を助長する働きがあることが初めて示され、生活史を通した成長様式の一端を解明することができました。本研究成果は、2018年5月21日付でIchthyological Research誌に掲載されました。

Murase I, Kawakami T, Iguchi K. (2018) Variation in growth performance of Ryukyu-ayu, Plecoglossus altivelis ryukyuensis, inferred from otolith analysis. Ichthyological Research. Springer-Verlag. 65:482–487 (doi :10.1007/s10228-018-0638-3)