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新種のアメンボを長崎大学の研究グループが共同で発見 ~国内での新種カタビロアメンボの発見は、1964年以来、57年ぶり~

教育学部の大庭伸也准教授と大学院生・平石直樹、学外の共同研究者、松島良介さん、森井隆文さんらの研究グループは日本国内で新種のアメンボ「ケブカケシカタビロアメンボ」を発見し、2021年11月10日にZoological Science誌に発表しました。

アメンボの一種、カタビロアメンボの仲間は水田やため池、湿地などの水面で暮らす体長1~3 mmほどの小さなアメンボで、これまで日本では19種の存在が知られていましたが、今回、2019年に愛知県で見つかった“不明種”について、形態とDNAの両面から検討した結果、新種であることが判明しました。
メスで体毛が目立つという形態的特徴から、この種をケブカケシカタビロアメンボ Microvelia (Picaultia) pilosaと命名しました。
国内で新種のカタビロアメンボが発見されるのは、1964年以来、57年ぶりとなります。
ケブカケシカタビロアメンボの生態や今回見つかった愛知県以外での生息状況は不明で、今後、その分布域を解明するとともに、何を食べているかなど、生態や生活史について明らかにする必要があります。
また、小さな種であることから、これまでに知られていた別種のカタビロアメンボと誤認されている可能性もあり、今後さらなる調査や標本の見直しが必要になってくると考えられます。

論文タイトル:A new species of small water strider in the genus Microvelia (Hemiptera: Heteroptera: Veliidae) from Aichi Prefecture, Honshu, Japan
著者:Ryosuke Matsushima, Takafumi Morii, Naoki Hiraishi, and Shin-ya Ohba

論文(英文)ダウンロード: http: https://doi.org/10.2108/zs210035




図1.ケブカケシカタビロアメンボ Microvelia (Picaultia) pilosa Matsushima,
Morii and Ohba, 2021 (左:オス、右:メス)とその生息環境