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長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 中村稔教授らが、日本人原発性胆汁性肝硬変の疾患感受性遺伝子を世界で初めて同定

  長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 中村稔教授らの研究チームは、原発性胆汁性肝硬変患者 1,500 名と健常者 1,200 名の DNA 検体を用いてゲノムワイド関連解析を行い、日本人原発性胆汁性肝硬変の発症に関わる遺伝子(疾患感受性遺伝子)2 つを世界で初めて同定した。
  原発性胆汁性肝硬変とは、中高年女性に多い比較的まれな(患者総数は全国で約5 – 6 万人と推定)原因不明の胆汁うっ滞性肝疾患であり、進行すると黄疸、肝不全となり肝移植以外に救命方法がない難病である。
  同定された TNFSF15、POU2AF1と呼ばれる遺伝子は、Tリンパ球や Bリンパ球などの免疫担当細胞の成熟や分化に重要な役割を果たしている遺伝子であり、これらの遺伝子の個人差(遺伝子多型)が日本人の原発性胆汁性肝硬変発症に関わっていることが明らかになった。
  今後はこれらの遺伝子産物を標的とした原発性胆汁性肝硬変の根治的治療法の開発が可能になるものと期待される。

本研究の成果は「American Journal of Human Genetics」(2012  年 9 月 20 日オンライン版)に掲載された。

詳細については「日本人原発性胆汁性肝硬変の疾患感受性遺伝子の同定」(PDF:189KB)をご覧ください。