HOME > Choho >Choho76号 My 研究室 Life:薬学部・寺田知邑さん

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 Part1「DNAを人工的に作り 創薬から応用までやり遂げる核酸医薬」はこちら

小さくてもいいから 世界で誰もやっていないテーマを探し出す


寺田さん

「通常、初歩的なことは先輩から教わるのですが、私の場合は先輩がおらず大変でしたね。機械の使い方や手技など、先生がお忙しい中で教えてくれていたので、とにかく一回で覚えようと必死でした。実験がうまくいかず壁にぶつかると、先生とたくさん議論を交わして課題を一つずつクリアしていきました。一年ほど苦しんで、卒業論文を前に、ようやく自分がやりたいことをやれるようになり、先生との信頼関係も確立されて、良い経験になりました」。


先日行われた核酸医薬の国際学会で、七十ほどの演題の中から寺田さんの発表がポスターアワードに選ばれたそうですね。

「まさか自分が賞をいただけるとは思っていなかったので、びっくりし過ぎて号泣してしまいました。三分ほどのプレゼンテーションのために、十二時間も練習したので、努力賞なんですよね(笑)」。


山吉先生によれば、学部生のうちは一人で実験ができるようになることが目標。さらに博士を目指すならば「自ら研究テーマを決め、小さくてもいいから世界で誰もやっていないことにチャレンジする」。現在博士前期課程二年の寺田さんは、博士後期課程に進む予定だそうです。

寺田さん

「将来、海外の研究者とも対等にやりとりができるようになるために、留学にも興味があります。ハードな毎日ですが、研究者を目指す以上は今が自分の頑張り時。それなりの覚悟で臨んでいます」。

研究室の仲間と共に。
「私、薬品のボトルの並びが乱れていたり、ごみを捨てていなかったり、実験計器の取り扱いといったことが気になってしまうんです(笑)。そこで行われる実験結果に影響を及ぼすのが一番恐いですもんね」。



研究室のひとコマ

引き出し式の薬品庫に、アルファベットごとに整然と並ぶ200種以上の薬品。
足りなくなったら最後に使った人が補充の注文をするというルール。


Profile
医歯薬学総合研究科(薬学系)/寺田 知邑さん

大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)博士前期課程2年生命薬科学専攻
機能性分子化学研究室所属 研究テーマは『遺伝的な難病の治療薬を創製する』