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長崎大学病院で九州初の高難度新規医療技術「ロボット支援下肝切除術」を実施


長崎大学病院は、肝切除手術における侵襲の低減化に向けた「ロボット支援下肝切除術」の臨床研究を2021年5月に開始し、これまでに6名の患者さんに対してこの術式での手術が実施されました。
この術式を実施するためには 、経験を積んだ消化器外科専門医による高度な技術と、最新の医療設備(ダビンチ)が必要で、実施施設には高い承認条件が求められることから、実施可能な施設が限られております。
現在は保険適用外の術式ですが、2022年4月の診療報酬改定で保険適用となることが決定し、長崎大学病院で本格的に高難度新規医療技術「ロボット支援下肝切除術」が提供可能となります。

ロボット支援下手術とは

腹腔鏡手術を支援する内視鏡下手術支援ロボット(ダビンチ)を使用して実施する手術です。
患者さんのお腹にあけた小さな穴に手術器具を取り付けたロボットアームと内視鏡を挿入し、医師がサージョンコンソールと呼ばれる操作ボックスの中で内視鏡画像を見ながら操作して手術をします。高解像度の3Dカメラ、鉗子の先端に自由度をもつ関節、手振れ補正機能などの多くの特徴を持っていて、特に微細な処理を要する手術において有用性を発揮します。

対象となる疾患

・肝臓がん(原発性および転移性)

見込み患者数

・年間10例

既存の医療技術と比較した場合の優位性

・手術時の創部の縮小化 。
・出血量が少なく、術後入院期間が短い。また再入院率も低い。

長崎大学病院移植・消化器外科 江口 晋(えぐち・すすむ)教授のコメント

長崎大学病院では、現在までに1,000 例以上の肝切除術を行ってきました。最近では約7割の患者さんに負担の少ない腹腔鏡下肝切除にシフトしています。
今回、先端機器ダビンチを用いてさらなる患者さんの負担軽減を企図し、海外で実績のあるロボット支援下の肝切除術を開始しました。
九州初となりますが、当院での前立腺・婦人科・食道・胃・直腸 ・膵臓などのロボット支援下手術の経験を活かし、今回、肝臓外科でのロボット手術の導入に至りました。現在まで6例に施行し、良好な手術成績を得ています。


長崎大学プレスリリース(2022年2月28日)