HOME > Choho >Choho76号 My 研究室 Life:工学部・山田基貴さん

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試行錯誤の繰り返しこそが実験の醍醐味

どんこ

合成の様子

工学部を卒業後、五年一貫制の大学院博士課程となるグリーンシステム創成科学専攻に進んだ山田基貴さん。
化学・物質工学コースの錯体化学研究室に所属しています。
研究室は指導教員の研究テーマごとに三つのグループに分かれており、環境問題に強い関心を持つ山田さんは、二酸化炭素や窒素酸化物といった小分子の活性化をテーマとする有川康弘准教授のグループで研究活動を行っています。

山田さん

「二酸化炭素や窒素酸化物は大気汚染の原因物質であり、酸性雨などの環境問題にもつながります。
研究室では、これらの物質に金属錯体を作用させ、有用な化合物に還元するサイクルの確立を目指しています。
有川先生は窒素酸化物の還元サイクルを確立した実績のある方で、僕は硫黄酸化物など他の物質での還元サイクルを研究しています。
こうした小分子の活性化に関する研究が発展していけば、大気汚染物質の削減につながり、将来的には環境問題の解決にもつながると考えられます」


精製の様子


大学院生二年目となり、すでに学会発表や論文作成なども経験している山田さん。
――これまで複数のテーマに取り組んできたそうですが、合成化学の実験はどのように進めていくのでしょうか。

山田さん

「基本的な流れは、合成、精製、測定、分析の四段階で、データを蓄積して少しずつ条件を変えながら、何度も実験を繰り返していきます。
同じ物質でも、温度などの反応条件によって生成物が異なる場合もあります。
金属錯体の組み合わせやパターンは膨大で、当然ながら予想していた結果とならず失敗することばかりです。
最初はうまくいかずに落ち込むこともありましたが、今はむしろそこに面白さを感じているというか。失敗したデータも、自分や他の人がこれから実験する上で役立つ大切なものです。
そのデータを参考に、『次はどうしようか』と考えるのが楽しいんです。
経験を重ねるごとにアイデアの引き出しも増えていきますし、とにかく失敗してもめげないことが研究をする上で大切です」


工学部化学・物質工学コースの学生は、学生実験で幅広い分野に触れた後に、3年次の2月に行われる研究室紹介に参加します。
その中から関心のある研究室を希望しますが、成績順に希望する研究室に振り分けられていくので、普段から勉強に取り組むことが大切です。
4年次春から研究室に所属し、主に指導教員の研究領域の一部や関連分野をテーマに選択します。
大学院への進学を希望する場合は、より長期的な研究テーマと向き合うことになります。

Part2「隙間時間を活用して複数作業を同時並行」に続く