2016年08月31日
長崎大学医歯薬学総合研究科の岩永正子教授、日本赤十字社、東京大学、国立感染症研究所の研究者らによる共同研究チームが、約300万人の献血者データのヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の新規感染状況を疫学的に解析し、日本における青年期以降のHTLV-1新規感染者の実態を初めて明らかにしました。 ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)は母乳を介して乳児期に感染する事が知られていますが、青年期以降の新規HTLV-1感染については詳しいデータがありませんでした。研究チームは、日本赤十字血液センターの全国献血者データベースをもとに、過去にHTLV-1抗体検査が陰性だった献血者で、その後陽性に転じた者の割合を後方視的コホート手法で解析し、陽転者は10万人年あたり男性1.29人、女性6.88人と女性が有意に高かった事を明らかにしました。さらに、陽転率を日本全国の人口動態に外挿したところ、日本全国における新規HTLV-1感染者は年間あたり男性975人、女性3215人と推定されました。 なお、本研究は、英国の学術誌The Lancet Infectious Diseasesの2016年8月23日付けの電子版に掲載されました。 【論文名】 【著者名】 【掲載先】 |
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【研究チーム】 | |
日本赤十字社 血液事業本部 中央血液研究所 |
佐竹正博 |
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 フロンティア生命科学分野 | 岩永正子 |
日本赤十字社 九州ブロック血液センター | 相良康子 |
東京大学名誉教授 |
渡邉俊樹 |
国立感染症研究所 血液・安全性研究部 |
大隈 和 |
国立感染症研究所 血液・安全性研究部 |
浜口 功 |