安全・安心な交通社会実現を目指した目標追尾技術の開発

工学部電気電子工学科の小菅義夫教授は，安全・安心な航空交通を確保するために不可欠な，複数航空機の異常接近を精度良く検出するための，レーダによる新たな目標追尾方式を考案し，信学会（電子情報通信学会の略）の論文誌や国際学会に公表した（文献１，２）。なお，2010年度に開催された国際会議 「ICSANE(International Conference on Space, Aeronautical and Navigational) 2010」 においては，“Best Paper Award”を受賞した。

目標追尾技術は，追突防止用の自動車搭載レーダや，飛行場あるいは発電所に雷雲が到達する時刻推定を行う気象レーダにも使用され，小菅教授執筆の文献３に概説されている。文献３は，信学会通信ソサエティ和文論文誌編集委員会の依頼により，研究者並びに技術者向けに執筆されたが，理工学部大学1年次で修得する数学を理解した者なら，十分概要が把握できる。

また，後進の育成に努める小菅教授のもとで，2009年度に目標追尾技術で学位を取得した博士後期課程の学生は，学生優秀論文賞を信学会通信ソサエティ和文論文誌編集委員会より受賞した（文献４）。

 

文献１　信学会論文誌(B)，“ｎステップ予測位置推定用α-βフィルタ” （2010年6月発行）

文献２　ICSANE2010，“New α-β Filters in Terms of an N-Step Predicted Position”（2010年10月発行）

文献３　信学会論文誌(B)，“レーダによる単一目標追尾法の現状と将来”（2010年11月発行）  

文献４　信学会論文誌(B)，“ドップラ速度と航跡を照合するクラッタ環境向け目標追尾開始方式”（2010年2月発行）

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