2019年09月26日
国立大学法人 長崎大学大学院工学研究科、小林透教授の研究グループは、人工知能(AI)によりロボットと会話するだけで、日用品の宅配注文を行うことができる“買い物難民支援ロボット”を開発しました。
現在、日用品を購入できる店舗までの直線距離が500m以上かつ自動車を利用できない、いわゆる「買い物難民」の割合が増加しています。高齢化社会の進行や昨今の度重なる高齢者の事故による運転免許返納の増加を考えると、今後は、買い物難民のさらなる増加が見込まれます。特に長崎県は、高齢化の進展ばかりでなく、坂が多い地形的特徴から「買い物難民」対策は急務です。
近年、スマートフォンのアプリを活用して、日用品の宅配を依頼することが可能となっています。しかし、高齢者にとっては、スマートフォンを使いこなす必要があり、ハードルが高いものになっていました。そこで、小林透教授の研究グループは、自宅であたかもお店の人に注文するように、自然な会話で日用品の宅配注文が可能な“買い物難民支援ロボット”(図1)を開発しました。利用イメージは、以下の通りです。
?お弁当屋さんは、スマートフォンやノートPCを使って、その日のメニュを登録
?ロボットは、高齢者にメニュを提示し、高齢者は会話により注文を実施
?注文内容は、SNSによりお弁当屋さんに通知され、受注確認を実施(図2)
?指定された時間にお弁当を宅配
この度、“買い物難民支援ロボット”の実用性を評価するために、佐世保市内のお弁当屋さん(ヨカキッチンさん)と複数の高齢者宅を対象に、実証実験を行うこととなりました。実証実験は、9月〜10月の間、約1か月間を目途に実施する予定です。
※本研究開発の一部は、総務省・戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)からの委託により実施した。