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長崎〜五島海域のマイクロプラスチックの時空間変動

長崎大学水産・環境科学総合研究科の修士課程2年小林 恒文さん、八木 光晴 准教授らのグループは、水産学部附属の練習船 鶴洋丸(総トン数155トン)を活用して長崎から五島にかけて、海上に浮遊するマイクロプラスチックの時空間変動を明らかにしました。

 

長さが5mmよりも小さなプラスチック片であるマイクロプラスチックは、世界中の海に存在しており、海洋生態系への影響が懸念されています。日本周辺海域は、マイクロプラスチックが多く浮遊するホットスポットであるとされていますが、その量と質の時空間変動はよく分かっていませんでした。そこで今回、長崎から五島にかけての海域で、年間を通してマイクロプラスチックの密度とサイズ(量)、そして色、形状、材質(質)を調べました。その結果、量と質ともに季節的な変動が存在していることが明らかになり、密度は月間で50倍、地点間では550倍もの差がありました。これらの知見は、マイクロプラスチックの動態を正確に把握する上で重要であり、本成果は海洋ゴミ削減の取り組みに貢献するものです。

 

本研究成果は、分野別でインパクトが最も高いQ1ジャーナル群に属する国際学術誌Marine Pollution Bulletinに掲載されました。なお、研究の一部は、科学研究費補助金 若手研究 課題番号JP18K14790の助成を受けて実施されました。

 

海の表面付近をひくことができる特殊なネット(ニューストンネット)を使用してマイクロプラスチックを集めている様子。

海の表面付近をひくことができる特殊なネット(ニューストンネット)
を使用してマイクロプラスチックを集めている様子

 

◆タイトル:Spatiotemporal variations of surface microplastics near Kyushu, Japan: A quali-quantitative analysis

◆著者:Tsunefumi Kobayashi, Mitsuharu Yagi, Toshiya Kawaguchi, Toshiro Hata, Kenichi Shimizu

◆掲載誌:Marine Pollution Bulletin

◆URL:https://doi.org/10.1016/j.marpolbul.2021.112563

 

【お問い合わせ先】

長崎大学総合生産科学域/水産・環境科学総合研究科/水産学部 八木 光晴

E-mail: yagi-m*nagasaki-u.ac.jp (*を@に変換して下さい)
 TEL/FAX: 095-819-2809