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Nature誌に掲載 肝疾患治療に再生医療を活用した肝細胞の移植の可能性を示す

長崎大学 医歯薬学総合研究科 移植・消化器外科学江口晋教授と東京医科大学の研究グループが、肝疾患の治療に対し、再生医療によって患者さん自身の肝前駆細胞の移植を可能にする研究を発表し、2021年10月、Nature誌にインタビュー記事が掲載されました。

https://preview-www.nature.com/platform/rh/preview/page/nature-research-custom/evia-life-sciences/19600270?view=fragmentPreview&error=cookies_not_supported&code=2b185666-34d0-40f5-bd7f-db15f7569087

これまで末期肝疾患患者さんの治療は、肝移植が行われることが一般的でした。しかし、ドナーがおられない患者さんや肝移植を受けた患者さんは免疫抑制剤の服用が必要不可欠となるなどの問題があり、本的な解決策が求められています。そこで近年注目されているのが、肝再生医療でありますが、肝再生医療の問題点は「十分な量の機能を有する肝細胞を取得すること」でありました。今回、患者さん自身の少量の肝臓から培養された肝細胞は、低分子量化合物の組み合わせを使用して、体外で肝前駆細胞に再プログラムできることを示しました。化学的に誘導された肝臓前駆細胞(chemically-induced liver progenitors;CLiP)として知られる細胞は、門脈や脾臓を介して肝臓に移植することができます。長崎大学では、肝硬変患者さんより分離したヒト初代肝細胞のCLiP化に関する研究を進めており、この成果に貢献し今後のさらなる成果が期待されています。