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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に対しての5-アミノレブリン酸(5-ALA)を用いた特定臨床研究の結果報告

 この度、国立大学法人長崎大学*1(長崎県長崎市文教町1-14、学長 河野 茂:以下長崎大学)とネオファーマジャパン株式会社*2(東京都千代田区麹町6-2-6、代表取締役社長 石川浩之:以下NPJ)は、NPJが研究・開発・製造を行う5-アミノレブリン酸*3(以下、「5-ALA」)とクエン酸第一鉄ナトリウム(以下、「SFC」)を用いて、新型コロナウイルス感染症(以下、「COVID-19」)患者を対象とした特定臨床研究を実施しました。その結果、軽症および中等症のCOVID-19患者に対する5-ALA/SFCの14日間の摂取において、SARS-CoV-2の変化および臨床症状スコアの変化に対照群との有意差は認められなかったが、一部の症状で改善の傾向がみられました。この結果についての論文は、国際学術雑誌「Medicine」に2023年8月1日(日本時間)受理され、2023年8月25日に掲載されました。
(URL:https://journals.lww.com/md-journal/fulltext/2023/08250/safety_and_efficacy_of_5_aminolevulinic_acid.41.aspx

  5-ALAは、天然に存在するアミノ酸であり、ヒトや動物、植物の細胞内で作られています。また、食品中にも含まれており、日々の生活の中で摂取しているアミノ酸の一つです。また、高い安全性と機能性を備えていることから、すでに10年以上前から各種ヘルスケア製品に活用されております。

  長崎大学熱帯医学・グローバルヘルス研究科長 北 潔 教授らとNPJは、この5-ALAの機能性に着目しマラリア治療薬の開発を進めてきました。5-ALAには幅広い感染症に対する効果が期待されるため、熱帯感染症研究に長い歴史を持つ長崎大学と5-ALAの熱帯感染症抑制効果を広く検討しております。
  今回の臨床研究は長崎大学医歯薬臨床感染症学分野/長崎大学病院感染制御教育センター 泉川 公一 教授、長崎大学病院感染制御教育センター田中健之 病院准教授らにより計画実行されました。COVID-19感染患者への5-ALA投与に関する特定臨床研究の研究計画が2020年10月28日、長崎大学の認定臨床研究審査倫理委員会において承認され、研究が開始されました。日本国内8病院との多施設共同試験です。

■本研究の論文の要旨要約 
▶試験デザイン
 5-ALAはクエン酸第一鉄ナトリウム(SFC)と共に機能性食品として販売されている天然アミノ酸である。細胞実験では重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の増殖を阻害し、また人や動物では抗炎症作用を示す。
今回の第II相非盲検前向きオープンラベル無作為化多施設共同試験では、軽度から中等度のCOVID-19患者における5-ALA/SFCの安全性と有効性を評価することを目的とした。

▶方 法
 本試験は、SARS-CoV-2 に感染している軽症および中等症の患者に対し、5-ALA/SFC を 14 日間摂取する群と 5-ALA/SFC を摂取しない群へ無作為ランダム化割付を行った。摂取群では、5-ALA/SFCを1日3回(750/435mg/日) 7 日間経口投与した後、5-ALA/SFCを 1 日 3 回(450/261mg/日) 7 日間経口投与した。主要評価項目は、SARS-CoV-2ウイルス量の変化量、臨床症状スコアの変化、および5-ALA/SFCの安全性(有害事象および臨床検査値バイタルサインの変動)とした。

▶結 果
 日本国内の8病院から合計50人の患者が登録された。SARS-CoV-2ウイルス量のベースラインからの変化は、5-ALA/SFC群(n=24)と対照群(n=26)の間に有意差はなかった。
Day1から初めて改善(医師の評価)と判断されるまでの日数は、5-ALA/SFC群の方が対照群よりも短くなる傾向であったが、その差は有意ではなかった。5-ALA/SFC群では、「味覚異常」、「嗅覚異常」および「食欲」は摂取群でスコアの改善が大きい傾向がみられ、「咳」、「だるさ」、「味覚異常」および「食欲不振」において、摂取群でDay14時点での消失割合が高かった。Day1以降に発生した摂取群の副作用は22.7%(8)件であった。副作用発現時の 5-ALA の摂取量は「450mg/day 以下」が 6.3%(1件)、「450mg/day 超」が 25.0%(7件])であった。

▶結 論
 軽症および中等症のCOVID-19患者に対する5-ALA/SFCの14日間の摂取において、SARS-CoV-2の変化および臨床症状スコアの変化に対照群との有意差は認められなかったが、一部の症状では改善の傾向もみられた。また本試験における5-ALA/SFCの安全性は許容範囲内であった。より大規模な研究、もしくは研究手法の修正を加え、さらなる評価が必要である。
詳細な結果は下記参照(https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCTs071200048


*1 国立大学法人長崎大学
長崎大学は、1949年(昭和24年)に設置された国立総合大学です。1950-60年代にキャンパスの移転・統合が行われ、坂本キャンパスに医学系学部・研究所(医学部、歯学部、長崎大学病院、熱帯医学研究所 等)が所在しております。長崎大学はその地理的・歴史的背景から、熱帯医学・感染症、放射線医療科学分野における卓越した実績を有しており、感染症領域において日本では他の追随を許さない豊富な研究の蓄積と研究者陣容を擁し、国内外に有数な感染症の教育研究拠点となっています。
http://www.nagasaki-u.ac.jp/

*2 ネオファーマジャパン株式会社
ネオファーマジャパン株式会社は、天然のアミノ酸である 5-ALAの研究開発及び製品化に特化した製薬企業です。植物、動物及びヒトに対する長年の研究により確認されてきた 5-ALAの有用性を、様々な領域で実用化することを目指しています。また、世界で唯一、5-ALAを大量生産できる設備を有しており、医薬品を製造するのと同様な品質管理の下、食品用の原料も製造しています。私たちは、5-ALAを通じて、グローバルヘルスケアに貢献していきます。
https://www.neopharmajp.co.jp/

*3 5-アミノレブリン酸(5-ALA)
ヒトや動物・植物は細胞内のミトコンドリアという細胞小器官でエネルギーを作り出すことで生命活動を維持して います。このミトコンドリアが機能するために、5-アミノレブリン酸(5-ALA)は非常に重要な役割を果たしていま す。5-ALA は、すでに10年以上前から健康食品、化粧品、ペットサプリメント、飼料、肥料に活用されている 非常に安全性の高いアミノ酸です。
http://5ala-journal.com/