2025年09月04日
⻑崎⼤学病院は、2025年5月、国内で初めて、脳死ドナーから提供された肝臓を「臓器灌流システム」で保存した後に肝移植手術を実施し、無事に成功いたしました。
本手術は、外科医、麻酔科医、臨床工学士、看護師など多職種によるチーム医療体制のもとで行われました。患者さんは、術後順調に回復し、無事に退院されました。
今回の移植は、日本医療研究開発機構(AMED)による移植医療技術開発研究事業「肝移植における提供臓器使⽤率と治療成績向上を目的とした最適な低温酸素化灌流臓器保存技術に関する研究」の一環として、本院で実施している特定臨床研究「脳死肝移植における移植⽤臓器の低温酸素化機械灌流システムの安全性に関する研究」として実施したものです。
また、本研究は長崎大学と株式会社SCREENホールディングスが2022年10月より開始した共同研究の成果であり、移植医療における大きな前進を示すものです。
■本件に関する記者レクチャーの様子(2025年7月30日開催)
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■コメント:研究責任者 曽山明彦准教授
国内初となる移植⽤臓器に対する低温酸素化灌流保存を⽤いた脳死肝移植を安全に実施できました。現在実施している特定臨床研究により安全性が証明され、この臓器保存法が確⽴されることで、提供された臓器がよりよい状態で安全に移植されることにつながり、ドナーとなられた方、そしてそのご家族の意思が尊重され、臓器移植を必要とする患者さんがより多く救われるようになることを期待しています。