2015年09月04日
熱研生態疫学分野の金子聰特任教授のグループでは、マルチプレックスプロジェクトという先端技術による感染症の流行動態調査を、長崎大学ケニア拠点をベースに進めています。
このプロジェクトは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「社会システム改革と研究開発の一体的推進」(平成24度〜28年度)事業により資金援助を受けています。途上国におけるイノベーションを促進する国際協力の戦略的推進を掲げ、「貧困層を中心とする複数感染症の一括・同時診断技術開発のアフリカ拠点整備とその技術を用いた多種感染症の広域監視網と統合的感染症対策基盤の構築」というタイトルで、その地域で問題となる感染症のサーベイランスシステムの構築を目指しています。
今回の論文はイノベーション基盤技術として開発中のビーズ技術を用いた最新の成果で、地域で流行している住血吸虫症の流行状況を数マイクロリッターの血液で知ることができるようになったものです。グループでは、ビーズ技術により、10種以上のウイルスや細菌、寄生虫感染症についてもさらに同時に調査できるキットとしての開発を進め、アフリカ各国での採用をめざしています。