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大学院医歯薬学総合研究科小児歯科の藤原卓教授らの「抗齲蝕ワクチンに関する研究」がClinical and Vaccine Immunology誌に掲載され星野倫範講師が日本小児歯科学Lion Award学術賞を受賞

長崎大学病院の星野倫範講師、長崎大学大学院の医歯薬学総合研究科小児歯科の藤原卓教授、齋藤幹助教、近藤好夫医員、大阪大学大学院歯学研究科の川端重忠教授、寺尾豊准教授、岡橋暢夫准教授による研究グループは、これまで齲蝕のワクチンの開発に関する報告が数多くされてきたにも関わらず、実用化に至らないのはなぜか?という疑問をもとに、Streptococcus mutansの有する齲蝕の病原因子の一つグルコシルトランスフェラーゼBの抗原性を改めて解析しました。その結果、ワクチンの標的としてこれまで利用されてきた触媒ドメインやグルカン結合ドメインは立体構造上の問題やアミノ酸の構成比による親水性の点からあまり抗原性が高いとはいえず、N末端側にある菌種特異的ではあるが機能の特定されていない多型性領域に抗原性が高いことを突き止めました。この領域を抗齲蝕ワクチンの標的とすることによりグルコシルトランスフェラーゼBの酵素活性を効果的に抑制できる抗体が誘導できることから今後効果的な抗齲蝕ワクチンの開発の可能性が高まります。

なお、この研究に関する論文は、Clinical and Vaccine Immunology誌2011年9月号に掲載され、星野倫範講師は平成24年5月に東京都で開催された第50回日本小児歯科学会大会にて平成23年度Lion Award学術賞を受賞しました。また、本受賞に関する記事が2012年7月4付長崎新聞にて報道されました。