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虫の世界もイクメンがモテる!コオイムシ類のパートナー選びが明らかに

2016年05月06日

育児に参加する父親が社会的に注目されるなか、虫の世界でも子育てをするオス“イクメン”がメスにもてることが明らかになりました。教育学部の大庭伸也准教授と大学共同利用機関法人 総合地球環境学研究所(京都市)の奥田昇准教授、国立大学法人 鳴門教育大学(鳴門市)の工藤慎一准教授の研究グループは、オスのみが卵を背負って育てる珍しい習性をもつコオイムシ類(コオイムシとオオコオイムシ)のメスによるオスの好みを実験的に調べました。その結果、メスは子育てしていないオスより、子育てしているオスに対して多くの卵を託すことが判明しました。
コオイムシ類では、複数のメスが1頭のオスの背中にいくつもの卵を産みつけ、オスはこの卵の塊を孵化するまで世話します(図1)。大庭准教授らの研究グループは、卵を背負っているオスと卵を背負っていない2頭のオスを準備し、メスがどちらのオスと産卵するかを調べました。その結果、メスは卵を背負っているオスとの産卵を好むことが明らかになりました。この傾向は、これら2頭のオスの卵の有無を入れ替えた場合でも再現されたことから(図2)、メスは特定のオスへの好みを示すのではなく、子育て中のオスをパートナーとして積極的に選ぶと結論づけられました。
クモ類やハサミムシ類など「親による子の世話」が知られる節足動物の多くでは、母親だけが子育てするのに対し、父親が子育てするのはコオイムシ類やウミグモ類などごく一部のグループに限られます。この研究結果は、オス(父親)による子育ての進化とメス(母親)による交尾相手の選り好みが密接に関係していることを示唆しており、動物における家族関係のあり方を解明する重要な知見として評価されています。
本研究の成果は英国王立協会のオープンジャーナル『Royal Society Open Science』に2016年5月4日に公開されるとともに、Science Newsでも紹介されています。

論文タイトル:Sexual selection of male parental care in giant water bugs.
論文(英文)ダウンロード: http://rsos.royalsocietypublishing.org/content/3/5/150720
Science Newsの記事:
https://www.sciencenews.org/blog/science-ticker/male-giant-water-bugs-win-females-babysitting

背中で卵塊を保育するコオイムシのオス
図1.背中で卵塊を保育するコオイムシのオス

メスによるオスの選り好みの実験
図2.メスによるオスの選り好みの実験
メスは特定のオスではなく、子育て中のオスとの産卵を好む。

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